三時間ほど散歩した折りのことだ。
海を見下ろす丘の上のお洒落な家にコブシの大樹。 蕾が今にも開きそうに太陽の光を浴びている。コブシが満開になると青い海をバックにさぞ映えることだろうと再び来ようと思う。
能古島を望む玄海灘を見下ろすこの丘の上には別荘風の家が急斜面に張り付いたように建ち見事な景観だ。 時折この急斜面を上ってみたくなるのも長崎育ちだからかもしれない。
急降下して松林に入り自然の静寂を楽しむ。 松葉がフカフカと心地好い。
松林をぬけるといつもの波打ち際ではない。引き潮で夕日に光る砂浜が沖の方まで広がる。
一瞬見知らぬ海辺にいるようで三人の少女が遊び戯れ、夕日に眩しく輝く砂浜をいつまでも見つめていた。
美しい舞いに引き込まれていく一日。 友の一人が日本舞踊の名取になった。 那珂川のいけす料亭での初舞いに招かれた今日、和やかな会だった。
帰りはひんやりと小雨の夕暮れとなる。
今からここからと決意の見える彼女は更に美しかった。 彼女のこときっと熱い思いで日本の伝統を大切に広げていくだろう。
今の時代だからこそ日本の伝統は受け継がれていかねばならぬ。
思えば流派は各々違うが三人の友が日本舞踊名取になっている。
結婚披露宴のような格式のある宴の時は驚いたことだった。
「和」に浸った一日は穏やかで幸せだった。感謝しょう、ありがとう。
満面の笑顔で迎えられてつい余計に買った。おまけにゆっくりお茶どうぞとすすめられた千鳥屋。
爽やかな春風のようだった。
友を訪ねる折り手土産にと立ち寄った時のことだ。お陰さまで軽やかな気持ちでスタートが出来た今日。 感謝。