静かな雨、全ての音を消すというよりも吸い取ってしまいそうな雨が降っている。
一日座っている書斎の窓から、紅葉した木々が雨に光って、いつもより美しくみえる。
手紙やハガキを数通、心静かにガラスペンで綴っていく。
書類等を整理した後は、何も気にせず、好きな読書に時間を合わせる。
心地よい時間がさざ波ひとつなく、読書と時間がぴったり一体となり、未来の時に運ばれていく。
「モリー先生との火曜日」、何回手にとり読み返す本だろう。
今回はしみじみ、自分の思いと重ね合わせて読んでいく。
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多くの人が無意味な人生を抱えて、歩き回っている。
自分では大事なことのように思って
、あれこれ忙しげに立ち働いているけれども、
実は半分寝ているようなものだ。
間違ったものを追い掛けているからそうなる。
人生に意味を与える道は、人を愛すること、
自分の周囲の社会のために尽すこと、
自分に目的と意味を与えてくれるものを創り出すこと。
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思いやり
「思いやりをもつこと、お互いに責任をもつこと」
許し
「許さなければいけないのは人のことだけではない、自分もだ」
愛
「人生で一番大事なことは———愛をどうやって外に出すか、どうやって中に入れるか、その方法を学ぶこと」
信頼
「目に見えるものが信じられなくて、心に感じるものを信じなければならない時がある。
他人から信頼してもらうには、こちらも相手を信頼せねばならない」
死にいく人の究極のメッセージはシンプルで明解、簡単だ。
最後のほうではこう書かれていく。
ますます体は殻、魂の器と思われ、無用の骨と皮になりさがってきている頃でも、驚くことに、
火葬にしてくれというモリーは
「焼きすぎないように気をつけてくれ」と。
人への優しさのジョークをいうのだ。
ティーブレイクをとる。
バラが生き生きと美しいリビングでほっと深い息をする。