爽やかな晩秋の陽光が差す。
朝から来客、外出ぎりぎりまでお話を聴く。
ご苦労が多い人生なのにカラリと明るく、人一倍お元気そうで安心。

既に、見事に人生を波乗りのように、軽々と乗り越えているようだ。
その一瞬一瞬をシンプルに決意していく、朗らかさが素晴らしい。

人生の主役、女優を、堂々とこなす姿に圧倒されながらも拍手を送る。

「東洋の心を学ぶ会」は「論語」を学ぶ。
泉のようにほとばしる講義に夢中になる一時間半。

終わって外へ出ると、急に肌寒くなった街の人混みに流れ込み、
誘われた絨毯の展示会を覗いた後、デパートへ急ぐ。

ふと溢れ出る感謝の思いに添えて、
遠方の四人の方に「福岡の味」を送る。
夜風にクリスマスツリーの光が揺れて。



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静かな雨、全ての音を消すというよりも吸い取ってしまいそうな雨が降っている。

一日座っている書斎の窓から、紅葉した木々が雨に光って、いつもより美しくみえる。

手紙やハガキを数通、心静かにガラスペンで綴っていく。
書類等を整理した後は、何も気にせず、好きな読書に時間を合わせる。
心地よい時間がさざ波ひとつなく、読書と時間がぴったり一体となり、未来の時に運ばれていく。


「モリー先生との火曜日」、何回手にとり読み返す本だろう。
今回はしみじみ、自分の思いと重ね合わせて読んでいく。
————
多くの人が無意味な人生を抱えて、歩き回っている。
自分では大事なことのように思って
、あれこれ忙しげに立ち働いているけれども、
実は半分寝ているようなものだ。
間違ったものを追い掛けているからそうなる。
人生に意味を与える道は、人を愛すること、
自分の周囲の社会のために尽すこと、
自分に目的と意味を与えてくれるものを創り出すこと。
——————
思いやり
「思いやりをもつこと、お互いに責任をもつこと」
許し
「許さなければいけないのは人のことだけではない、自分もだ」

「人生で一番大事なことは———愛をどうやって外に出すか、どうやって中に入れるか、その方法を学ぶこと」
信頼
「目に見えるものが信じられなくて、心に感じるものを信じなければならない時がある。
他人から信頼してもらうには、こちらも相手を信頼せねばならない」

死にいく人の究極のメッセージはシンプルで明解、簡単だ。
最後のほうではこう書かれていく。
ますます体は殻、魂の器と思われ、無用の骨と皮になりさがってきている頃でも、驚くことに、
火葬にしてくれというモリーは
「焼きすぎないように気をつけてくれ」と。
人への優しさのジョークをいうのだ。

ティーブレイクをとる。
バラが生き生きと美しいリビングでほっと深い息をする。


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現世にかくまで美しきものはなし、
いとも気高き心うつこの光景に、
心ひかれざる人は魂の鈍れるもの。
いま、この市街は暁の美を、
衣のごとく身にまとう。
船、塔、高楼、劇場、寺院は静かにあからさまに、
遥かなる平野と空に向かって開き、
すべてみな、烟なき大気の中に燦然と輝く。
かくも美しく陽はその最初の輝きに、
谷、岸、丘を染めなせんことはあらじ。
げに、かくも深き静けさをわれ見しことも、
感ぜしこともなし。
テムス河は悠々と心のままに流れ行く。
あゝ、家々すらも眠れるごとく、
大都市の心もなお静かに眠る。
———ワーズワース

目覚めの読書「音楽世界めぐり」はイギリスへととぶ。

「ティーブレイクは最上の活力である」
イギリス人はティータイムをとる。
11時はコーヒーブレイク、
3時はティーブレイク。

音楽は身体ではなく、心を、不思議な浮力をえて、
舞い上がる゛歌の翼゛に乗って精神的な旅をすることができる。

——————
「イギリスの民謡と日本人」
美しい音楽を聴く時、多くの人がそっと目を閉じる。
それはきっと心を少しでも軽くしようとするからにちがいない。
モーツアルトとかベートベン、シューベルトや
ショパンの曲だったら心が導かれていくところは、
ミューズの国とでも呼ぶより仕方ない、具体的でない場所になるでしょう。
民謡とかフォークソングは間違いなく、
その歌がうたいつながれてきた土地へと誘われる。
その歌の旋律法とか、ひびきの色合いが、
ある一定のローカルなものを示しているからだ。
—————と続く。

若い頃はフォークソングに夢中で、ギター、マンドリン、
ボーカルを集め6人のフォークグループをつくり楽しんだものだ。


風雨強く、大地にも紅葉の絵模様美しい午後、友二人の来訪が嬉しい。

思いの強さで、不可能であろうことを可能にされた体験談に感動し、
学びをえる。
語る友の目は優しく温かい澄んだ目だった。

ガレの間接照明が語り合う私共を優しく包む。