朝、アップしたつもりが忘れていた
『TEPPEN』という番組の審査員秋川雅史さんの
点数が辛すぎるとニュースになっていて驚いた。
採点は審査員の価値観で行われるもので
スポンサーや参加者に忖度して、審査員が
皆、横並びに同じような点をつけて
優勝者をまつりあげるような番組に
ならなくて良いんじゃないのかなと思った。
FLASH
私は、この番組を一度も見たことがないので
その状況を見ていないのでわからないけれど、
ピアノを教えていたので、ピアノコンクールには
関心があり、ショパン国際コンクールなど
YOUTUBEで聴くことができる場合は、
自分自身も審査員のような気持ちで聴いたりする。
昔、春日井市内でピアノコンクールが開催されていた時
ヤマハ音楽教室出身のお子さんもコンクールに参加していたので、何度か会場に聴きに出かけたことがあった。
当時の審査委員長は東京芸大名誉教授の田村宏先生で、
全ての演奏が終了すると、審査についての話があり、
コンクールに参加するレベルのお子さん方は、
全員が優秀で、甲乙つけがたく演奏技術については
ほとんど差がないということを前置きしていた。
ただ、どうしても緊張して普段とは違うミスも出るし
そういうところでは、当然減点されてしまうので
それがコンクールの厳しさであり、
その日のコンディションも左右することは
仕方のない事で、ガッカリせずに挑戦して欲しい
といった話も出ていたと思う。
どのように審査が行われているのかといえば、
審査員の解釈の好みによるところがある。
音楽表現を審査するのは大変に難しいもので、
審査員のそれぞれの価値観を基準に評価するので、
ある審査員はA判定でも、他の審査員はC判定を
つけることはあり、特に古典音楽のバッハ作品では
審査員の基準が大きく異なる。
古典的技巧を好む審査員、現代的技巧を好む審査員の
数で結果が変わるため、その時の運というのもある
といったような話だった。
たとえば4人の審査員のうち、、
現代調の審査員が3人、古典的な審査員が1人の場合、
圧倒的に現代調の演奏をした者のほうが有利になる。
という具合に、その時に招集された審査員の好みで
審査がどちらに傾くかわからないというのが
本来の忖度のない音楽コンクールであると思う。
すごく優秀で金賞候補と思われていても、
優勝候補者が古典作品の解釈が正確で正当でも
審査員好みの解釈と違っていれば、
その日は、BC判定が増えるので、
銀賞以下ということも出てくる場合がある。
参加者全員が横一線の点数であっても、そうやって
1曲だけものすごく評価の分かれる課題曲を入れて、
点差の開きをはっきりさせて入賞者が決定する
ということがある。
審査員が参加者に忖度してはいけないので、
これで良いのだと思う。
ところが、厳正な音楽コンクールばかりではなく
ピアノの先生と審査員の先生、大学の教授との
連携がすでに出来上がってしまっていると、
結果ありきの形式的な音楽コンクールということも
出てきてしまうので、実力とは別の入賞者が決定する
ということが起きるかもしれない。
審査員に対して不満を言うことはできないので、
入賞者の結果を見た時に、正当さを感じない場合は。
曖昧な結果として歯切れの悪さだけが残る。
大半の音楽コンクールの参加者は正当な評価、
厳正な講評を知りたくて、そこに臨むので
審査員が厳格な人、優しい人とそれぞれの価値観で
素直に正当な評価をして講評してもらえたほうが、
参加者は嬉しいのではないかなと思った。