フォーレ/シシリエンヌ無料楽譜
フォーレの『シシリエンヌ』を初めて
弾いたのが30歳頃だったと思うけど、若かった。
気づけば、34年ほど経っていたけれども
今も、時々楽譜を持ち出してきては弾く曲で
弾くたびに、ニュアンスが変わっている。
基本的な楽譜通りの解釈は変わらないのに
毎度、速度や間合いなどを考え直しては
弾き方を変えるので、完成しないと思うけど、
どこかで、きちんと作品として残しておきたい。
起承転結と割り振って練習していて、
このところ時間がないので、部分練習中心で
昨日は、エンディング部分を考えていた。
間の取り方、左手のベース音の入れ方や、
微妙に速度を変化させて、
ゆるめたり、速めたりしながら
ppでシンプルに消え入るようにと
技巧を考えつつ、ストーリー展開も想像し、、
メリザンドが、病床でペレアスとの想い出や、
我が子の未来を案じ、故郷の水の国に心馳せて
瞼を閉じ意識が薄れていくような場面かなぁと、
空想しながら練習していた。
この空想というか、、
妄想の時間が楽しくて幸せなのだ。。
誕生した我が子は、夫の子ではなく
夫の弟ペレアスとの間に生まれた子であり、
愛していたペレアスは、夫に殺害された、、
という悲劇的な物語だった。
フォーレの楽譜解釈とともに、メーテルリンクの
悲劇的な物語を思い浮かべながら弾いている作品。
夫への裏切りで生まれた子供だけが残されて
両親のペレアスもメリザンドも亡くなってしまい、
その後、この娘はどう成長していくのか、、
というストーリーは展開しない。けど、
弟と妻の不倫で誕生した娘を、弟を殺害した兄が、
血のつながらない残された娘を育てていくのか、
途中で、水の国の待女が迎えに訪れるのか
その後の物語があってもいいよな~と
思うことがある。
妄想ストーリーは、どこまでもふくらむ。。
『ペレアスとメリザンド』は、日本では『青い鳥』の
作品で有名なメーテルリンクの戯曲で、古典的な
王家の悲劇の物語を書いている。
メリザンドは水の国の美しい妖精であり、
人間の姿になり森で怪我をして動けないところを
将来、王を継承する王子に助けられるところから
物語が進んでいく。
なぜ、メリザンドが、水の国の妖精かというと
作者のメーテルリンクが幼少時代に池で溺れたから
ではないかと言われている。
死にかけたことにより、『水の世界』は神秘的で
死の向こう側に何があるのか死生観を考える
きっかけになったことが、何かの本に書かれてあった。