昔、名古屋舞台芸術協会の劇塾で山田昌さんに朗読を
学んだことがきっかけで、舞台芸術関係のマネジメントの世界で仕事する機会を得て、舞台芸術制作事務所を
経営するアートハウスの光岡さんが、よく事務所に
招いて下さってお茶や食事を一緒にしたり、
時には、仕事のアシスタントをさせて下さっていた。
1980年代だったので、、
チケットやポスターを抱えてプレイガイド周りしたり、
本番前の会場入りして準備をしてゲネプロを見たり、
開場するとチケットのもぎりもしたことがあったし、
チケット予約の電話受付などもしたことがあった。
光岡さんの事務所に訪れる芸術家さんを紹介して
下さって、色々とお話を伺わせて頂いたり、、
さりげなく様々なノウハウを教えて下さっていた。
光岡さんに、
「私も光岡さんのように、いつか自分で
音楽の企画ができたらいいな~」と話すと、
「できるよ! 小さい事から始めなさい
少しずつ、人の輪をつなげていくんだよ。」
「僕はね、お客さんを楽しませたいんだね、
僕のところでチケットを買って下さった方には
絶対に損をさせたくない。満足してもらいたい。
いつもそう思ってマネジメントをしている。
だから、自分のマネジメントをする以上、
来て下さった方には損をさせないことを約束し
それを続けていくと、人が集まってくるんだよ」
本当に丁寧な心のこもった仕事をなさっていて、
必ず、光岡さんの住所録にある会員の皆様に
ご案内状や礼状など、手書きでご挨拶の手紙を
出しておられて、多くの芸術家の方々から信頼され
多くのマネジメントに携わっておられた。
「自分の身を削ってナンボだからね~」と、
骨身を削りすぎて、大きな仕事を終えると
体調を崩して、亡くなられてしまった。
アートハウスの光岡さんと出会うことがなければ
あまりマネジメントという仕事を知る機会もなかった。
ほんの少し、そういう仕事を見せて下さった時に
カッコイイな~と、マネジメントの仕事に誇りを
持ってやれたらいいなと憧れたことがある。
実際に、今、自分の周囲を見渡していても
やっぱり音楽や芸術をしている方々とは
縁が続いているので、60歳を過ぎた私だけど、
まだ何かできることがあるんじゃないのかな、、
と、思っているところがある。
長い時間、仕事をしたり人と関わってきて
今、同世代の方々と音楽を共にする機会を得て
光岡さんの言葉は生かされていると思う。