女優の山田昌さん(94)が16日に肝細胞がんのため

死去したことが報じられた。

 

私にとっては、朗読を教えて下さった先生、、

初対面の時から「先生」という呼び方が嫌いな方で、

「私女優なのよ、昌さんて呼んでほしいわ」と言われて

「昌さん」と呼ばせて頂いていたけれども、、

裏表がなく優しくて愛情深い女優さんだった。

 

お世話になっていた当時、心臓に問題があり

カテーテル手術をして調子が悪いと話しておられた。

てっきり心臓の方かと思ったら肝細胞がんと出ていた。

 

中日スポーツ

JiJiCOM

1930(S5)5.12- 2024(R6)6.16

 

東海テレビ6月20日(木)AM1:02名古屋嫁入り物語 再

 

私の仕事の都合で短期間しかお世話になれなかった

けれども、とても深く難しいことを学ばせて下さった。

 

文学座の北川和夫さんが講義にいらっしゃった時も

役者志望でもない私に、演技論も学んでみてはどう?

と勧めて下さった事があった。

 

結局、私は舞台よりも制作に進んだので、

その後、演技を学ぶ機会は訪れなかったけれども、

ほんの僅かな期間、傍に置いて頂けたのが

大切な思い出になっている。

 

 

 

昌さんといえば、ドラマも舞台もCMもバリバリの

名古屋弁の演技が多かったけれども、

「実は、名古屋弁は演技なのよ」とおっしゃって

日常的には淀みのない標準語で会話をしておられた。

 

私が本読みを始めると、昌さん自身がNHK放送劇団に

入団した時のアクセントの苦労話をして下さって

「アクセント辞典で標準語の抑揚を学ぶといいわよ」

と勧められた。

 

そして、昌さんは若かった頃『川端康成 掌の小節』で

朗読の勉強をしたことを教えて下さった。

「あなたも、その本を読んでごらんなさい

 短い小節だけれども、すごく勉強になるわよ」

 

「朗読は、何人もの登場人物が現れるけれども、

 声色を変えて読むわけではないのよ、

 

 それぞれの登場人物の感情や行動を読み取って

 悲しいから悲しい演技をするわけではないし

 悔しい、怒りがある時ほど、淡々としていたりね、、

 本の中の登場人物のことをじっくりと思い浮かべて、

 同じ声だけで複数の人を表現するんですよ、

 息の使い方を、よく考えてみなさい」

 

私が昌さんに、お礼の手紙を送った時には、

「手紙をありがとうね、

 ただね、美しい文章というのは、

 文節がとても重要なのよ

 きちんとした文章が書ける人というのは

 使う言葉も美しいものよ」と、

文章や言葉を、とても大切にしておられた。

  

いっぱい貴重なダメ出しを頂いたのは宝物で、

私は役者にはならなかったけれども、

いつもピアノの演奏表現を考える時に

昌さんの言葉を紐解きながら活用していて、

何十年経っても、私の心に根付いている。

 

 

昨年亡くなられたご主人のあまちんさんとは

夫唱婦随で、長くご一緒にいらっしゃったので、

気落ちしておられるかと心配していたけれど、

あまちんさんが、

「早く来なさいよ」とお迎えにきたかな~

 

天国でご夫婦仲良くお芝居を続けてください。

短期間でしたが、

お世話になりありがとうございました。

安らかなお眠りをお祈りいたします

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

今日のひとことブログ

 

 

 

 

 

同じネタで投稿する

 

他の投稿ネタを確認する