20代前半頃の昔むかしの話だけど、、

ミュージシャンと知らずに出逢って、

「もしよかったら僕の歌を聴きに来てよ」

と声をかけられた。

 

出逢ったその晩、ホテルの食堂で年越しそばを

食べていたら、再び、彼がやってきて、、

私の隣に座ると、彼はずっとお喋りをしていた。

 

故郷の話、大学時代のことなどを聞かせてくれた。

その時、ちょっと落ち込んでいる時期だったようで

仕事の今後に、迷っているような話だった。

 

話しやすくて楽しい人だったので、

またいつか会えたらいいな~と、翌日には

余韻に浸りながらリゾート地をあとして、

その帰り道に、鵜方駅近くにあった、

ミュージシャン友達の住んでいた借家に立ち寄り、

もう誰も住んでいないだろうと思いながらも

ドアをノックしてみた。

 

すると、

ドアの向こうから眠そうな顔をして出てきた人は、

前夜、私に話しかけてきたミュージシャンの彼だった。

 

お互いに驚いて顔を見合わせて、

「なんでここにいるの?!」と・・・

 

あまりに驚きすぎて

しどろもどろになってしまい、

 

「すみません💦

 ミュージシャン友達が住んでいた部屋だったので、

 今、ここがどうなってるのか気になって、

 まさか、あなたが住んでいるとは

 知らずにノックしてしまい、ごめんなさい

 

昨日の彼にまた逢うと思わず、

恥ずかしくなり、

慌ててその場を立ち去ってしまった。

 

恋が芽生えそう!!!ハートのバルーン

ときめきかけたところだったけれども、、

 

 ヒマワリ       ヒマワリ       ヒマワリ

 

ある日、彼はライブステージで、

私に歌を唄ってくれた日があった。

 

オリジナルではなく、好きな歌だからと、

「花の首飾り」カバーを聴かせてくれた。

 

彼の歌を聴いて楽しんでいたところに

彼の先輩ミュージシャン達がドヤドヤと

数名のミュージシャンを連れて入って来て、

彼のライブステージを破壊したあげくに、

私の目の前で、彼の自尊心を傷つけて

私の気分も台無しにされた。

 

ミュージシャンの縦社会って

なんなん?と思うけど・・

 

何があったのか知らないけれども、

あの日以来、

彼の心は閉じてしまったようで

もう何も喋ってくれなくなった。

それがきっかけでギクシャクが

始まったのは間違いなかった。

 

 

 

 

あの事件があってから

随分経った寒い時期に、

一度、彼から電話をもらった。

 

当時、私の勤務地に近い場所で

彼は営業で歌う用事ができたので、

もしよかったら会えないだろうかと

そんな話だった。

 

後から思えば、、無理にこちらに来る

仕事の予定を作ってくれたかと思うほど、

それはとても珍しいことだった。

 

私、どういう返事をしたのだったか

あまり覚えていないけれども、

仕事があると曖昧な事を言ったかもしれない。

「行くから」とハッキリ返事をした記憶がない。

 

正直なことをいえば、、

私は、こっそり彼の営業先にかけつけて

彼からは見えない場所で歌う姿を見守っていた。

彼が営業を終えると、ガードマンに囲まれて

そのまま駅に向かうのを見届けた。

 

遠くで見守って、声をかけず会うのはやめた。

その日が、彼を見送った最後の日になった。

 

まあ、、

爽やかで初々しい片想いだった。

 

今思えば、いつのまにか、、

シンガーソングライターさんのファンだったのかな、、

歌を聴いたら、その甘く切ない歌を好きになっていた

 

当時はレコードの時代だったので、

2枚目アルバムを制作して欲しいとお願いをして

楽しみにしていることを伝えていた。

 

その後はお会いする機会はなくなり、

何枚かCDが発売されたので、

それは購入して今も大切にしている。

 

 


 

好きになりかけた人

 

 

 

 

 

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