きつつきのドラミング
ピアノを教える時に、これから演奏する作品について
生徒さんが、頭の中で音楽の光景が思い浮かぶような
話をするように心がけている。
目の前の音符から風景や様々なドラマが見えてくるように
また、イマジネーションを膨らませて音楽表現できるように
いろんな話を織り交ぜながら指導する。
「ぴあのどりーむ4」の教材に『きつつき』という作品が載っている。
今日、小3の生徒さんに「きつつき」という鳥について尋ねてみた。
「この作品は、きつつきがリズムに乗って
調子よく木を叩いて穴をあけているような感じだね、
きつつきって、どんな鳥か見たことある?知ってる?
ピアノ教室の前の森にもきつつきが飛んでくるんだよ」
「見たことない、知らな~い」と生徒さん。
YOUTUBE動画に、きつつきのドラミングの様子が出ているので
本物のきつつきのドラミングの様子を観察してもらった。
「さて、Rちゃんの指先がきつつきのクチバシだと想像してみて
ピアノの鍵盤にドラミングしているように弾いてみようか」
指先の形よりは、今、生徒さんの頭の中に浮かんだ
きつつきのドラミングをしているイメージを音にしてもらう。
生徒さんは、指先を尖ったクチバシのように使い始めて
きつつきが穴をあけているような感じを描こうと
しているのがわかる。
ピアノの鍵盤から木を叩くような歯切れの良い
元気なスタッカートが出てきて、
「いいよ! その調子~~!!!
きつつきさんがドラミングしている感じ出てるよ」
集中して試し始めると、音楽で表現することが楽しくなってくる。
本物の鳥を観察して感じたことを音楽表現する
といったピアノレッスンをすることがある。
自由に大らかに表現できる環境を用意して
それぞれの子供達が、自分の心にあるものを描いて
豊かな心を育んで下さると良いなと思いながら接している。
心に何か思いながら演奏すると、自然と音色も
そういう生きた動きのある響きを持つもので
そういう呼吸や想いが自然に出てくるのが
大切と感じるので、それを教えている。