去年の秋頃に、小3の生徒さんが
「あたし、保育園の時にウソついてた」と話し始めて
「なんのこと?」と尋ねると、
「『弾くのは嫌いだけど、書くのが好き』と
言っていたけど、本当は書くのは好きじゃないし、
書いて覚えたかったわけじゃないんだよ。。
ただ、弾くのが面倒くさくて嫌だったから、
書くのはいいと言っただけだったの。」
「だから、嘘ついてた!!」と。
ついでに、、、
保育園にママがお迎えに来てくれた時に、
『私、ピアノ習ってるの!
今からピアノのレッスンに行くの』と言って
保育園から出ていく姿をみんなに見せたかったから
ピアノを習っていたという告白をされた。
「なんで、ピアノを習っていると、
みんなの前で言いたかったの?」と尋ねると、、、
「だって、ピアノを習っている子は、
保育園の先生が弾いてるピアノに触れることが
できるのが羨ましかったんだもん。
ピアノを習っていない子は触れないから、、
保育園で、ピアノを習ってると言いたかった」
なるほどな~、、
子供さんにとって、ピアノを習っている子は
先生から特別扱いを受けているようにみえた、
ということらしい。
そういう話を聞くと、練習はしてこないし
まったくピアノを弾く気がなくても、
保育園に通っているうちは、なにがなんでも
「ピアノ教室に通っている」事実が欲しかった
という気持ちもわからないでもない。
保育園を卒園する時に、
「もうピアノを習う理由がなくなったからやめる」
と言ってきたので受け入れたけれども、
ピアノ発表会に出て欲しかったので、呼び戻した。
今、小3になっても、まだ習ってくれている。
ただ、、練習嫌いはブレることがないし、
「私、ピアノ習ってるの」と友達に言いたくて
習っているところもブレていない。
小3生徒さんにとっては、ずっと
私に嘘をついていたのが後ろめたかったのか、
話してくれて、心が軽くなったようだった。
どのお子さんも、保育園に通っていた頃のこと
よく覚えていて、在園中は色々あっても黙っている。
成長して、小学生になってからだったり、
高校生になってから、突然、保育園時代を思い出して
あんなことがあった、こんなことがあったと話して
くれることが多いけれども、、
大人に話すとマズいと思うことは、
嘘をついてごまかしていることがあるかな。
まだボキャブラリーが足りずに説明できなかったり、
話すと悪いと思って、本当のことが言えなかったり
黙っていることがあるようで、健気だなと思った。
小さな子供さんが嘘をつくのは、、
どんなに幼くても、何か理由があるようで、
頭ごなしに叱らない方が良いように思った。