ご近所の80代ご夫婦との交流から始まった
30分ワンコイン音楽レッスン。
まずは、お茶を出してくつろぎタイムから始まる。
はじめは、童謡を歌ったり、手拍子したり、
YOUTUBEから昭和歌謡を唄ったりして楽しんだ。
動画は、終了間際の僅かな時間で鍵盤を使って
左右の手指を動かしてもらったところの様子。
ピアノのレッスン経験は一度もないものの、
楽譜を見せたら、ト音記号の「ド」が読めて
楽譜に合わせて弾いておられたので、
左脳のどこかに、まだ新しく記憶できる
スペースがあるのではないのかな。
奥さんの認知症が進み、徘徊が酷くなっていて
ご近所の鍵がかかっていない家にあがり込んだり、
小学校の職員室に入室したり、子供の家に入り込み
度々騒動になり警察に通報される事が増えていて、
ご主人も、心臓が悪く足も思うように動かず
奥さんの行動を監視して徘徊を止めるのが難しい。
警察から「今後こういうことはないように」
と注意を受けたという。
ご主人も、2年前に心臓発作で倒れたことがあり
偶然居合わせた知人に救急車を呼んでもらい、
生還できたけれど、またいつ倒れるかわからず
奥さんを残して倒れたらどうしようかと、、
毎日心配でならない様子でいる。
徘徊者はどこからも厄介者扱いされて、
すぐ警察に通報されるので生きにくいし、
人に優しくない時代になった。
最近ご主人が困り果てて、私は相談を受けていて
デイサービスには週3日通っているけれども
夕方を過ぎると、奥さんが落ち着かなくなり
ご主人の言葉を振り切って出て行くので、
手におえないのが、毎日のように続いている。
「徘徊するなら、うちで音楽して遊びませんか?
1回30分500円で、歌を唄ったり弾いたりして
音楽を楽しんで下さればいいので」
私も無料だと長続きしそうにないので💦
ワンコインでどうですか?と、
1回30分500円の有料にさせてもらった。
来て下さった回数をつけておいて、
月末まとめて代金をいただくことになった。
とにかく、徘徊する回数を減らすこと、
歌ったり指を動かして認知症が進行しないよう
現状維持か、少し改善できたら良いなと思う。
ご主人だけで世話するのが難しくなってきていて
できるだけ穏やかに過ごしていただける時間が
長くなると良いと思うし、少しでも関わって
見守り、不安を取り除くのが大切だなと感じる。
生徒さんが来ない空いている時間を利用して
一緒に、童謡を歌ったり、YOUTUBEを使い
知っている歌謡曲を唄ったり、鍵盤を使い
指を動かして弾いてみるなどで、
30分程度、楽しく過ごして頂く工夫をする。
今日、実際に音楽アソビしてみたら好評で、
「楽しい」と喜んで下さり、レッスン終えて、
ご自宅に送って行って10分ほど経ってから
「今日、ピアノを弾いたのを覚えてますか?」と
尋ねたら、「今日、弾いたね~、楽しかった」と
不思議と覚えていたので、すごい!と思った。
認知症でも、人の歌を聞くだけではなくて
ご自身が歌ったり、楽器を弾いたりもできるし、
積極的に人と関わりを持って会話をしたり、
頭を使って楽しむことは必要なことだと思う。
少しでも、ご家族の負担を減らして
認知症の進行を抑える協力ができれば良いなと
上田楽音楽教室として、様々な世代の方々の
音楽を楽しめる場所にしていきたい。
これからも、音楽を楽しみたいご高齢の方があれば
受け入れて行きたい。
ご高齢の認知症の方に音楽を提供するのを
ずっとやりたかったことで、ようやく実現した。