指揮者で作曲家の外山雄三先生が7月11日
慢性腎臓病のため亡くなられた。92歳。
外山先生が名フィルで指揮をしておられた時代に
私の勤務していた職場に、合唱やオケの練習場があり
時々、外山先生が事務所に立ち寄って遊びに
来て下さったのが懐かしい。
笑いだすと止まらない笑い上戸の先生で、大声で
水戸黄門のように豪快にアッハッハと笑っておられた。
面白い話をして下って楽しかった思い出がある。
けれど、団員の方の姿が見えるとピタっと笑いを止め
指揮者顔を作って何事もなかったように真面目になり
また姿がなくなると、冗談を言ってお茶目だったので
私は「ご隠居さん」とニックネームで呼ばせて頂いた。
「ご隠居さん」と呼ぶと、いつも「なんだい」と
気軽に応じて下さっていた。
外山先生
「このあいだ僕のところにやってきた人がね、
『先生、ぼく、山本直純さんを知ってるんですよ』
とぼくに自慢するんだよね~、、
山本さんのあんな曲、こんな曲知ってますって、
それがなんなの?ってさ、何が言いたいのかなと
ぼくにそんなこと話してこないでくれと思ったよ」
私「そりゃ、失礼な人ですよね~」と言うと
外山先生「まったくだよね~、ガッハッハッハ」
二人でゲラゲラ笑いあった日があったけど、、
歳は親子ほど離れていたけれども、
なんだか気が合っていた。
名フィルの定期演奏会が春日井市民会館で行われた時
外山先生の指揮だったので、演奏が終わってから
楽屋にお邪魔したら、蝶ネクタイにステテコ姿で
迎えて下さった。
外山先生「よくきてくれたね~、どうだった?」
とおっしゃって
私 「本当に素晴らしい演奏でしたよ、
春日井市民会館は建物が古いので
期待していなかったんですが
想像以上に響きが良いので、驚きましたよ」
と感想を言うと
外山先生「そうなんだよ、僕も驚いたよ。
演奏前は、古い建物だなと心配していたけども
どこで共鳴するのかな?すごい音響がいいよね、
おかげで気持ち良く演奏ができて楽しかったよ」
外山先生に、春日井市民会館を気に入ってもらえて
嬉しかった。
外山先生は、指揮台で倒れるまで指揮をしたいと
思っておられたんじゃなかったのかな、、
指揮者の方々との談話だったか、そんな話が
載っていたのを読んだことがあったけど
きっと、その通りの生き方をなさったと思う。
外山先生、ありがとうございました。
お疲れさまでした。