ブルース(シャオユー)リュウさんの優勝インタビュー
常に最終組の最終奏者で他の多くの演奏を聴いた最後で
正直なところ特別強烈に印象に残ることもなかった。
ファツィオリでミスなく素早い演奏をする人だなと思っていた。
後でじっくり聞いてみると演奏は素晴らしくて見事で
力みがなく、耳に優しい音で心地が良い。
今、これが審査員が求める音楽なんだな~という感じ。
コンクールを見ている時は優勝するとは思っていなかった。
クラシックピアノは日本では足でリズムを取ると叱られるけれども、
ブルース・リウさんの場合は全身でリズムを取り、特に足がよく動くし
指の使い方もそれほどきれいとも思えないけれども、音色は素晴らしい。
脳や心が感じるままにそれを素直に音楽に表現できる人だった。
ピアノ弾きにしては珍しくて、まったくダークホース。
また、これまでスタインウェイで演奏する人が優勝してきた気がして
ファツィオリで演奏する人が優勝するとは想像できなかった。
本当にそこらへんで遊んでいた男の子がちょこんとピアノの前に
座って弾いてみたら楽しくて凄かったぐらいの人に見える。
こういう才能豊かな人は、もしかしたらどの分野でも頑張れば
1番になり得る人ではないのかなと思うことがある。
ピアノを始めた年齢が8歳と遅く、チェスや囲碁を楽しんだり
泳いだり、テニスや卓球、サッカーをしたりするのが好きで
ピアノは沢山の趣味の1つで、真剣にピアノを始めるまでは
1日10分程度の練習しかしていなかった、、、、
というような話で、気づけばショパコンを優勝していた
ということをサラリと語る。
東洋人の顔つきを持ちながらパリ生まれでカナダで学び
現在は、ダン・タイソンに学んでいるという経歴の持ち主で
ただ趣味でピアノを始めたとはいえ、常に名門に身をおいて
超一流の先生に学ぶ環境が整っていたのを考えると
その気になれば恵まれた音楽環境で取り組むことができる
育ちの良い青年とわかった。
幼少からピアノ以外の囲碁などで長時間集中力を高めたり
スポーツを愛好することで身体能力が高く、タフな演奏にも
耐えられる体力も持ち合わせていて、ブルースさんのこれまで
楽しんできた趣味がピアノ演奏に活かされている。
第17回に優勝したチョ・ソンジンさんもそうだけれども、
すでに活躍するピアニストは選ばれず、これから期待できる
まだ何者でもない初々しい未知数の演奏能力の高い人が
優勝者に選ばれることが続くのを感じた。
BRUCE (XIAOYU) LIU – Etude in A minor, Op. 25 No. 4
BRUCE (XIAOYU) LIU – Etude in C sharp minor, Op. 10 No. 4
BRUCE (XIAOYU) LIU – Rondo à la mazur in F major, Op. 5
マズルカOp33, ソナタOp.35
ピアノ協奏曲1番