ショパン作品を学習する時、「ルービンシュタインの作品を参考にして

練習すると良いですよ」とアドバイスされることが多いけれども、

マズルカ作品については、私はサンソン・フランソワの方が好きで、

子守歌のように聴こえて気分が落ち着いてくるし飽きない。

 

ピアノ指導者のなかにはショパン作品は好きだけど、マズルカ作品は

嫌いだから絶対に弾かないと言う方があるけれど、食わず嫌いのような

ものじゃないかと思ったりで、私自身はそのマズルカがエキサイティングに

思えて楽しいので、できれば生徒さんにも弾いて欲しい。

 

マズルカ作品は、解釈は楽譜の指示記号通りだけれども、弾いてみると

音のアソビ幅が大きく、演奏者の解釈に基づいたリズムが加わるので

楽譜上は付点音符でなくても、演奏家によっては付点音符かと思うほどの

大胆なアレンジを加えてポーランドの独特な民謡風に演奏する人もある。

 

アーティキュレーションのつなぎ方も個々の呼吸のタイミングに合わせられる。

シンコペーションやアクセント、スタッカーティシモなどを上手く使いこなして

体重移動しながら舞踊的なフレーズを再現してリズムに乗り演奏する。

 

色々とテクニックを用いて遊べるところが面白く、そこに気持ちが入ると

強弱も楽譜に書いてある通りにならないこともあったりでそれもまた楽しい。

とにかく心を躍らせて開放的に演奏を楽しみ遊ぶのが良いと思う。