2月いっぱいまでのレッスンで3月より休会する生徒さん演奏
保育園年中組の時からピアノレッスンに通ってくれた生徒さんは
卒園間近になりレッスンをしばらくお休みすることになった。
「ピアノを弾くのはイヤだけど音符を書いて覚えるのはいいよ」と
弾くのを拒んきた生徒さんで、最近は、ヘ音記号も
わかるようになってきた、、、はずだった。
ところが、先週、メトードローズの楽譜に書き込まれた
ドレミのフリガナを見て弾いている様子があったので
「五線に書かれた音符の読み方を忘れたの?」と尋ねると
「よめない」と答えたので、五線の音符のやり直しだなと思い
「ト音記号を書いてみて」と話すと「書き方がわからない」と、、
ト音記号もヘ音記号もすっかり忘れていた。
入会した時から見慣れた楽譜の中に書き込まれた記号や
音符などを自分で書いては演奏するのを見てきたので、
さすがに、それを聞いていたママの表情が固まってしまい、
1年半もピアノを習ってきて、何もわからないの?と。。。
ママも私も、いったいどういうこと?と焦ったけれども、
ご本人はいたって冷静に「そうだよ、忘れた」
これにはママが一番ショックを受けた様子で、、
1年半近くも、いったい何をしてきたの?
と茫然しておられた。
「先に進みたくない。
ずっと「はげしくあめがふってるよ」だけ弾いてればいいもん」
と訴える生徒さんの言葉を聞いて、
「それだけでは月謝が払えないよ」と嘆くママ。
そして昨日、3月から休会のご連絡もいただいた。
私も、Sちゃんが習い始めて数か月で気がついた。
Sちゃんは、ピアノを学びたくてレッスンに通ってくるのでなく
保育園で「わたし、ピアノ習ってるの」「これからレッスンに行くの」
とピアノ教室に通う姿を友達に見せたいだけだったということ。
なにしろ、こちらは保育園から最も近いピアノ教室で
友達がよく知っている立地条件の良い場所にある。
それが目的とは薄々気づいたけれども、その期間に
なんとか自主的に練習してくれるように、様々と試みては
音楽を好きになってくれるように努めてきたけれども
先週のレッスンの終りがけにSちゃんのほうから
話しかけられた。
「(保育園行かなくなるから)もうピアノやめてもいいよ」
そして、音楽を学んできたことはすっかり消し去られて
見事に、何事もなかったように弾けなくなっていた。
そういう目的だと、不要と感じた瞬間に積み重ねた
記憶もリセットされてしまうものなのかな?
最近、スマホゲームにハマっている様子だったので
幼少の子がタッチパネルで遊び始めると、一時的でも
認知症のように積み重ねてきた事を、消しゴムで消したように
きれいさっぱりと忘れてしまう現象はよくあるので、
そういったこともあるかもしれないけれども、、、
何の未練もなく、私の事も忘れ去られたようだった。
私も、Sちゃんを教えてみてはじめて、
幼少のお子さんが自分の意思でピアノを始める
動機として、周囲よりも優位に立つ手段で
「ピアノを習っている」と言う事があるのを知った。
それを言うことだけが目的なので、練習はしないで
レッスンの日が訪れれば、その教室に向かう
事実だけが必要ということらしい。
でも、考えてみれば、、、
小学生の女の子が友達同士で話しているうちに
「ピアノを習ってるの」という女の子が羨ましくて
ピアノレッスンを始めたという子が案外と多い。
楽譜を覚えるのも練習するのも面倒臭いので
レッスン当日に少しだけサラ~っと弾いてくるだけで
ピアノ熱が冷めると、ピアノ教室に通うのをやめてしまう。
そういうことはよくあると思う。
だから、保育園に通う4~5歳の頃からそういう自我を持ち
虚栄心も身につけ始めて、嘘つきと言われてプライドが
傷つかないように、きちんとピアノレッスンに通う
ということもあるのを知った
私も反省し、一つ、勉強になった。
それで、今後、ピアノを習いたいというお子さんには
「家で毎日練習できるんだったら、習いにきていいよ」
と、ピアノ入会に条件をつけることにした。
またSちゃんが気まぐれにピアノ習いたいと言ってくれたら
まずは500円のワンコインレッスンで引き受けようと思う。
ただ「習ってる」と言いたいだけなら5000円でなく500円で
まず様子を見るのが良いのかな
親の心子知らず、だなぁ