最近、幼少の生徒さん達を教えていて、ふと気づいたことがあった。

-レッスンバッグから楽譜を取り出してピアノの譜面台に置く-

幼少のうちは、当たり前の動作もできる子とできない子がある。

 

A保育園出身の子供達は、皆、レッスン室に入ってくると靴を脱ぎ

たいてい、バッグをその辺に放りだして座り込んで休憩してしまう。

自分からは楽譜を開かないで、ママが準備するのを待っている。

レッスンが終わると、ママがお片づけをして部屋を出る。

 

B保育園出身の子はレッスン室に入ってきて靴を脱ぐと

まっさきに、バッグから楽譜を取り出して譜面台に向かい

これから演奏する曲のページを開いて、ピアノ椅子に座る。

レッスンが終わると、自分から片づけをして部屋を出る。

 

最初は、ご家庭のしつけかなと思っていたけれども、

A保育園出身の子供達は、全員が物を出したり片づけたりを

しないで待っている様子があるので、もしかして、、、、、

 

0歳や1歳半頃から1日の大半を保育園で過ごして育ってきて

保母さんやママが何かをしてくれるのを待つことに慣れていて

自分から行動することに気づいていないのかなと思い始めた。

 

B保育園出身のお子さんは、自然に自分で出したり片づけたり

をこなしている様子があったので、ママに尋ねてみたら、

「仕事が忙しいので子供に何も言わないけれども、勝手に

そうしているので、それを当たり前に考えていました」と言うので

どうも保育園で、自分の物は自分で管理することを学んできたらしい。

 

A保育園とB保育園の理念や方針の違いがあるように感じ始めた。

子供達は、その保育士さんの方針に忠実に従って、

素直に育ってきた結果、準備が整うまで待つ子供達と、

自分の判断で動く子の違いが出たんだろうか?

 

結局、これが家で課題を練習してくるかしてこないかに関係していて

自分で、バッグから楽譜を取り出す子は、毎日必ず練習してくるけれども、

自分からバッグの中身を取り出さない子は、1週間そのままで

練習してくるはずもない。

 

お母さんがバッグから楽譜を取り出してくれないから練習できなかった。

そういうことになるのだな、、と気づいた。

 

「自分でレッスンバッグから楽譜を取り出す!」

これがいかに重要なことか!!

 

私のこれまでの経験上、自分でバッグから楽譜を取り出さない子は

多分、保育園を卒園して小学校に入学してからもそれが続くと思う。

 

もともと、ピアノを習いたいと言ったのはお子さん自身なので、

せめて時間がかかっても、自分でバッグから楽譜を取り出して、

レッスンが終わったら自分で片づけることぐらいはできるように

ママが手伝わずに、自分で楽譜を開くことから始めないと、

いつまで経っても、自分の意思ではピアノを弾けるようにならない。

 

私も、つい時間がないので手を出したくなるけれども、グッと我慢して

生徒さんが自主的に行動できるようになるのを見守りたい。

 

幼少期の子供は動きが遅いので、つい手を出したくなるけれども

やっぱり、時間がかかっても自分で自分の事をさせてあげて欲しい。

きちんとできた時には褒めてあげて、できるだけ自分で頑張って

なんでもできるようになると、自分の力で練習できるようになる。

 

ピアノは練習しないと上達できないものなので、

「自分でバッグから楽譜を取り出して開く」動作は

とても重要なことなので、習慣づけて頂きたい。