サザンオールスターズのドラマー松田弘氏が、右肩腱板断裂手術で

活動休止するそうで限界を超えてまでライブ活動をしていたのを思った。

 

ライブ動画が出ていたので見たけれども、そのライブがいつ頃のものか

わからないものの、映像を見てもすでに右肩側の筋肉に緊張があり

硬直している様子がわかるほど張りが出ていて状態が良くなかった。

 

肩甲骨周辺も左側の比べて硬くなっていたので肩まわりが自由にならず

五十肩のような症状が出て、右腕を振り上げるのも辛かったかもしれない。

 

私は毎日平均5~6時間位はピアノの前に座って演奏研究や練習していて、

それを30年近く毎日続けてきている。おかげさまで腱鞘炎になったことはない。

鍼灸医院に通ううちに疲れが出る前に、自分でもマッサージの仕方を覚えて

長時間使ってもやり過ごせるようになった。

 

でも50歳代になるまでは、別に何時間練習しても疲れることがなかったのが、

ここ5年位前からは、さすがに長時間練習を繰り返すと筋肉疲労が続いて

ある日突然、ドカンと身体中がヘトヘトになってしまうことがあるので、

腕が疲れてきたと思う時は、お風呂に入る前に15分位アイシングして

湯船で温めて血行を良くして疲れを取る、指間マッサージをしてほぐす、

棒灸する、月3回は鍼灸医院に通って電気鍼してもらうなど、、、

沢山練習をしたら、必ずメンテナンスに通って疲れを残さない。

 

身体全体の歪みを矯正しておくことも大事で、だんだんに背中がまるく 

なっていくと内臓にも良くないし腰痛や足の痛みなども起きやすくなる。

 

演奏する時にどこの筋肉をよく使って演奏するかというと、私の場合は

小円筋、大円筋、前鋸筋(脇の後ろあたりの肩甲骨周辺)をよく使う。

その筋肉を下に引っ張るように指に伝えて演奏するので、

肩と腕を引き離すような感じになることがある。

腕は抜けたような状態なので、肘や手首には力を入れずに指先に伝える。

 

できるだけ長く楽器の演奏を続けたいと思うと、できるかぎり故障せずに

いかに長続きさせるかを考えるけれども、色々試してみて思うのが、

基本のテクニックをしっかり身につけることと、やっぱり呼吸法が大切かな

と思うことが多い。

 

歌のある作品を出すには理由があって、ピアノ演奏に最も大切なのは

呼吸法と思っていて、タイミング良く規則的に呼吸を取り込み吐き出す事で

酸素が全身に回るので、大曲を長い時間演奏し続けても疲れない。

 

ある意味、水泳選手が上手く息継ぎをして泳ぎ続けるのにも似て

テキトーな息継ぎではなくて、最後まで泳ぎ切ることを計算したような

呼吸法でなくてはいけない。

 

また出したい音色によって呼吸の取り込み方も違っていて、

怒りを表現したい時、情熱を表現したい時、哀しみを表現したい時など

それぞれ違った場所に息を溜めては吐き出して、その音色を違える。

 

歌のある楽曲を演奏してみると、そういったことを考える時間ができるので

それを実際に、ショパン作品やチャイコフスキー作品などで試してみたりする。

 

楽曲やシチュエーションに合った呼吸を身につけて演奏してみると

無駄なところには力が入らずに故障することもなく、ピアノ演奏を

長く続けられるんじゃないかなとあれこれ工夫して試している。