少し前から教会旋法についてブログ記事にしているけれど

ピュイグ=ロジェピアノ教本(1)では鍵盤楽器の発祥時期、

1500年代ルネサンス期の鍵盤音楽が取り上げられていて

ミサ曲やコラールなどの作品に触れることができる。

教会旋法で紹介されている作品が多い。

 

1500年代なんて、今から500年以上昔の時代だけれども

それでも、語り継がれるビートルズ作品も日本の君が代も、

今のブリティッシュロック作品なども、いろいろ聴いてみると

やっぱり原点はスペインで発祥した教会の宗教音楽の流れが

未だに脈々と続いている。

 

また教会のミサでコラールや讃美歌などを唄うことで

オルガニストが必要となり、教会で作曲や演奏指導の

教育が行われてきたのが鍵盤教育の始まりになっている。

それがなければ音楽の発展は、もっと遅かっただろうと思う。

 

日本に鍵盤楽器が入ってきたのは、1823年シーボルトが日本に

やってきた時に鍵盤楽器を持ち込んだという話が残っていて、

ブラームスはシーボルトのイトコと婚約していた時期があるので

シーボルト家と音楽家とのつながりも深かった。

シーボルトはヨーロッパでピアノ教育を受けていて音楽に

親しんでいたところから日本にも西洋音楽が持ち込まれた。

 

ピアノ音楽を学ぶ人にとって古典というとバッハが中心で

それ以降の新しい作品に触れる機会はあるけれども

それよりも100年ぐらいさかのぼって古い時代の

1500~1600年代のルネサンス期の宗教音楽など

オルガン作品に触れる機会は、殆どないと思う。

この楽譜は、ピアノ演奏というよりは鍵盤楽器の歴史を

教えてくれる希少な資料的な価値もあるようと思う。

 

ピュイグ=ロジェ氏は、ピアノを始めたばかりの子供に

ピアノの歴史とともに学ばせたい意図があったかもしれない

けれども、幼少期の子には少し理解が難しいように思う。

ほぼ対位法の作品が扱われている。

 

バッハのインベンションに入る前段階や、なかなか忙しくて

腰を据えてバッハ作品に関わる時間が取れない時などに

古典音楽を勉強するには手頃な教材だと思う

 

私も、たまにこの教本を見ることがあるけれども

気持ちのうえでリセットさせてもらえるというか、、

禅をしているような、心を鎮めることのできる

教材として使うことがある。

 

ピュイグ=ロジェ氏は日本の東京藝大でも教鞭を

執っておられたり、ドビュッシー作品の演奏家としても

知られていて、日本でも知られたピアニスト。