英国下院、EU離脱案採決前の審議の様子

 

ボリス・ジョンソン首相

 

  街頭に集まり国民投票を求めて抗議をする市民

 

このEU離脱案が可決された場合は英国にとっては歴史的な日となるが

その採決がどちらに傾くかは、賛成反対が拮抗しているため

全く予測がつかない。

 

10月16日(水)にEUと英国ボリス・ジョンソン首相との間で

「EU離脱案の合意」が得られたため、10月19日(土)午後に

英国下院議会で、その離脱案についての採決が行われる。

採決の結果がわかるのは日本時間午前2時過ぎになるか、

延長、または本日中には解決しない可能性もある。

 

議員の定数650席のうち過半数の320票を得られれば

EU離脱案は可決されるが、それ以下では否決となる。

 

ジョンソン首相は可決できると自信を持っているが、

元々首相を支持する議員は少ない。

 

ボリス・ジョンソン首相案に対して、

すでに反対派(スコットランド議会)からは修正案が提出されており、

まずそれを審議にかけて可決されれば、19日のうちには

EU離脱案の議会採決の強行をしないとしている。

 

スコットランドでは来月総選挙が行われる予定があるが

スコットランドは全く無視された状態で進められており

イギリス議会とでは考え方に大きな隔たりがある。

その不満が解消されていないために、

ジョンソン首相のEU離脱案を受け入れることができない。

 

反対派案では10月31日のEU離脱を延期して

来年1月末まで延長することをEUに申請することを求めている。

 

英国市民は英国議会場周辺の街頭に集まり

これまでのEU離脱案とは中身が違っているため

2度目の国民投票によって決定するべきと

抗議行動が始まっている。

 

この採決結果は、アメリカや日本の株式市場にも

大きな影響をもたらすもので、これまでユーロドルの上昇、

英国のEU離脱合意への期待感から日米とも株価が上昇していた。

 

19日中に可決されれば109円以上の円安に進み株価は上放れし

否決されれば107円に円高が進行して株価が下落するなど

株式市場にとって大きな動きになるかもしれない。

 

日本時間 午後11時10分

反対派の修正案の審議が行われ、賛成322票、反対306票で

ボリス・ジョンソン首相の10月31日のEU離脱案はなくなり

EUに離脱延期を申請しなければならなくなった。

尚、ジョンソン首相はEUに延期の書簡を送らないと語っている。