1996年アートハウス光岡さん制作CD


 

ギトリスさんが日本でのライブ録音演奏以外の

スタジオでのレコーディングCDは

たぶん、光岡さん制作CD以外は思い当たらない。

このCDはギトリスさんと光岡さんの友情から生み出された。

 

このCDについての評価が出ていたのを鳥居様が教えて下さった。

https://books.google.co.jp/books?id=y5pwDgAAQBAJ&pg=PA36&lpg=PA36&dq

 

何かの本の中に評論記事として出ていたもののようで

竹内貴久雄氏がクラシック音楽≪迷演奏家列伝≫
「名盤・奇盤の博物学」の一つとして

ここに、光岡さん制作CDのギトリスさん演奏について

貴重なことが書かれてある。

 

日常はフランス人として過ごされておられるかもしれないけども、、

間近でお会いしてみると、イスラエル人としての魂、

プライドを持っておられるギトリスさんと感じたことがある。

 

面白く読ませて頂きました。

鳥居様、ありがとうございました。

 

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1994年頃だったか、、光岡さんが目を輝かして

「今、僕にはギトリスさんの演奏作品をCD化したい夢があるんだよ。

 一世一代の大仕事になるかもしれないけれども、、、

 ギトリスさんのためなら、自分の命を削っても惜しくないと

 思えるぐらいに真剣に考えている。もし実現させることができたら

 レコーディングにのりちゃんも呼んであげるから楽しみにしていてね」

 

もちろん、これほど壮大な大仕事に私が呼んでもらえるハズがない。

社交辞令で計画を聞かせて頂けただけでも興奮してドキドキした。

 

世界的なアーティストのレコーディングを光岡さんが行う

これは実現できることなんだろうか・・・?

ただ、漠然とその夢が叶うと良いと思った。

 

今思えば、光岡さんが私に話した頃には実現するために

レコーディング会場を探し回り準備していたのだろう。

 

全ての準備が整い、そのCD制作が実現したのは

1996年12月10日ー12日の3日間であった。

録音場所は、碧南市エメラルドホール。

ライブ録音ではない。

 

碧南市エメラルドホールを3日間貸し切り状態にして

ギトリスさんが最もコンディションの良い状態で、

一番演奏したい選りすぐりの作品を、

思う存分に演奏してもらえるように観客を入れず

舞台上にはギトリスさんとピアニストのアナ=マリア・ヴェラさんと

二人だけが立ち、張り詰めた空間で集中して作品演奏に

取り組めるよう取り計らわれた。

 

録音最終日、何の前触れもなく、突然、碧南市にいた

光岡さんから私に電話がかかってきた。

「今、碧南のエメラルドホールでギトリスさんの演奏を

 録音しているけれども無事に終われそうだよ」

安堵した様子だった。

 

翌年1997年11月24日愛知県芸術劇場コンサートホールで

ベルギー王立フィルハーモニー管弦楽団フランダース&

イヴリー・ギトリスの演奏会が行われたけれども、

この時に県芸術劇場フロアで、前年に碧南市で行われた

光岡さん制作によるギトリスさんのCDが発売され、

会場ではギトリスさんのサイン会が行われた。

 

 

何か月か前、イヴリー・ギトリスさんfacebook上に

このCDアルバム画像が出ていたことがあった。

その時、アートハウスの名は消されており、

ヨーロッパの会社の名前が出ていた気がするので

販売権利が譲渡されたのかなと思った。