全員が同じピアノ協奏曲ホ短調Op.11No.1を演奏する。

独奏での審査の頃はヤマハの方が優位に思えたのが
コンツェルトになると、ヤマハはワルシャワオケの音色よりも
硬く重たくなってしまい、楽器同士が溶けあうよりも浮きあがって
音楽全体の質感が重苦しくバランスが崩れているように聴こえた。

コンツェルトでヤマハを使用した場合
高音部に金属的な鋭い音が発生してキンキンした音になっていた
低音部はベタッと重たくなり地鳴りのように騒々しく
他楽器の音を消していた。

コンツェルトでスタインウェイを使用した場合
ピアニッシモからフォルテッシモまでをオケに合わせて
ダイナミックに演奏をこなすことができる演奏者が多かった。
ただし、タッチが軽いと音が浮ついて聴こえてきたり
タッチの悪い状態でペダリングを入れればゴマカシが利かず
音楽全体がぼやけてしまい何を演奏しているかわからない
演奏者もいた。

これまでYAMAHAを使用してきた参加者も、コンツェルトでは
STEINWAY&SONSに変更している人が何人かいるけれども、
他楽器との調和を考えるとその選択の方が望ましいのがわかった。

私がこの2日間の演奏を聴いた中で、最も調和の取れた
美しい演奏をしていたように聴こえたのは
ポーランドのSzymon Nehring だった



Jacek Kaspszyk – conductor
Warsaw Philharmonic Orchestra



6 p.m.–6.40 p.m.
Eric Lu (United States)STEINWAY&SONS
Concerto in E minor Op. 11


Allegro maestoso
Romance. Larghetto
Rondo. Vivace


6.40 p.m.–7.20 p.m.
Szymon Nehring (Poland)STEINWAY&SONS
Concerto in E minor Op. 11


Allegro maestoso
Romance. Larghetto
Rondo. Vivace


intermission 7.20 p.m.–7.50 p.m.


7.50 p.m.–8.30 p.m.
Georgijs Osokins (Latvia)YAMAHA
Concerto in E minor Op. 11


Allegro maestoso
Romance. Larghetto
Rondo. Vivace