全員が同じピアノ協奏曲ホ短調Op.11No.1を演奏する。
独奏での審査の頃はヤマハの方が優位に思えたのが
コンツェルトになると、ヤマハはワルシャワオケの音色よりも
硬く重たくなってしまい、楽器同士が溶けあうよりも浮きあがって
音楽全体の質感が重苦しくバランスが崩れているように聴こえた
これまでYAMAHAを使用してきた参加者も、コンツェルトでは
STEINWAY&SONSに変更している人が何人かいるけれども、
他楽器との調和を考えるとその選択の方が望ましいと思う
Seong-Jin Cho 大変慎重に丁寧な演奏をしていて
ピアノとオケのバランスが良く旋律が美しく聴こえた。
けれども実直すぎて面白みに欠けた。
Aljoša Jurinić 良くいえばダイナミックに聴こえる。
しかし、ヤマハを選んだことで他楽器とのバランスが崩れて
特に低音部が地鳴りがするように騒々しくなってしまい
全体的に重すぎる残念な演奏になっていた。
Aimi Kobayashi 顔のパフォーマンスが大きいわりに
ピアノの音が前に出てきておらず、オケに吸収されていた。
ペダリングに問題があるのか、それとも指のタッチが
スタインウェイと合っていないのか、無駄な響きが残り
何を演奏しているかわからずに全体的に音楽がぼやけて
聴こえてしまっていた。
レガートについて雑で硬く聴こえることが多いので
もう少し深く丁寧に指の置き方や音色、呼吸法などを追求すると
随分と変わるのに惜しいなと思う人である。
今の状態のまま同じ演奏法を繰り返して年齢を重ねても
成熟した演奏を聴かせることが難しくなると思う。
Kate Liu 三次審査までは素晴らしい演奏を見せてくれていた。
ファイナルでは、ピアニッシモの音色は粒が揃って美しいけれども
タッチが軽すぎたのかオーケストラの音色の上に落ち着きなく
ポンポン浮いているように聴こえる場面があるように感じた。
全体的にはバランスが取れていて柔らかく美しい音色が出ていた。
Jacek Kaspszyk – conductor
Warsaw Philharmonic Orchestra
6 p.m.–6.40 p.m.
Seong-Jin Cho (South Korea)STEINWAY&SONS
Concerto in E minor Op. 11
Allegro maestoso
Romance. Larghetto
Rondo. Vivace
6.40 p.m.–7.20 p.m.
Aljoša Jurinić (Croatia)YAMAHA
Concerto in E minor Op. 11
Allegro maestoso
Romance. Larghetto
Rondo. Vivace
intermission 7.20 p.m.-7.50 p.m.
7.50 p.m.–8.30 p.m.
Aimi Kobayashi (Japan)STEINWAY&SONS
Concerto in E minor Op. 11
Allegro maestoso
Romance. Larghetto
Rondo. Vivace
8.30 p.m.–9.10 p.m.
Kate Liu (United States)STEINWAY&SONS
Concerto in E minor Op. 11
Allegro maestoso
Romance. Larghetto
Rondo. Vivace