○○は好きな証拠 ブログネタ:○○は好きな証拠 参加中
本文はここから



今、ピアノレッスンに通ってくる5歳の女の子に教えていると

たいてい、二言目には「イヤ~だ」と返ってくる。


「イヤだ」と返事をする「ヤーダちゃん」の

昨日のレッスンでの話。


可愛らしく「ちょうちょ」を演奏中のヤーダちゃんに

しっかり気持ちを入れてレガートでの演奏を指導したら

納得がいかない様子で、頬をプクッと膨らませながら

不満たっぷりの表情で、渋々、演奏していた。


ヤーダちゃんが私に文句を言い始めた。

「あのね、これ、幼稚園でみんなが弾いてる弾き方とは違うもん。

 だから、この弾き方するのはイヤだよ」


「あっ!そうなの?

 幼稚園でピアノを習ってない子でも弾けちゃうんでしょ?

 でも、ヤーダちゃんはピアノ教室に習いに来てるんだから

 みんなと同じ弾き方なんて、つまらないでしょ?

 

幼稚園の園児が弾くような幼稚な演奏は教えません。

だからレガートで練習してきてね

わかった? お返事は?」


「イヤだ!」


「イヤなの?それは困ったなぁ・・・

 でも、Rちゃんはレガートで演奏するから

 二人で連弾する時に、ヤーダちゃんが違う弾き方するなら

 二人の音が合わないから、こまったなぁ~連弾できないね~」


「えっ・・・う~ん。。。

 じゃあ、弾けるように練習してくる」


「そうだよね、友達と楽しく一緒に演奏したいもんね

 やっぱり、レガートを練習しないとね

 ヤーダちゃん、Rちゃんに音を合わせるのを頼むね」


「うん、わかってるって、OK!」


今日は、きちんと説明したら受け入れてくれた。



「イヤだ」というのは、凄く重要な言葉のやりとりで、

子供国家と大人国家の外交交渉のようなものかもしれない。


ヤーダちゃん国家は、その物事を受け入れたくないと

私を門前払いしようとした。


ところが、我が国家は、これを何としてでも受け入れさせたい。

正面から「やりなさい」と言えば「イヤだ」と跳ね返されてしまう。


それで、このレガート奏法を受け入れることによって

ヤーダちゃんにメリットがあるとわからせなければならない。

「この奏法を学ぶと、楽しいことがありますよ!」

具体的に「連弾アソビはどうか」と申し出る。


ヤーダちゃんは「連弾アソビ」をしたくてたまらないので

それなら「レガート奏法を受け入れます」と返事した。


小さいうちの「イヤだ」は、決して否定的に話しているわけではない。

自我が出てきて、すんなりと受け入れたくないので

いったん、「イヤだ」と言って様子を見ているし

きちんと「駆け引き」を要求してくるので知恵があり賢い。


なかなか勝気で手ごわい小さな外交官と思いながらも

毎回、ヤーダちゃんの「イヤだ」を聞くのが楽しみになっている。