浜岡 問い直される安全

 中電原発 地元に不信高まる


中部電力は23日、新設を目指す浜岡原発(静岡県御前崎市)6号機の着工を

少なくとも1年延期すると発表、まず安全対策に全力を尽くす方針を示した。

だが、住民らの不安が高まる中、原発政策は根底から揺らいでおり、新たな

計画どころか既存の3~5号機の運転に地元理解を得ることも難航が予想される。


中電は従来、浜岡原発の海側にある高さ10~15mの砂丘が堤防の役割を果たし、

東南・東南海地震で想定される8m程度の津波に耐えられると説明してきた。


しかし、福島第一原発の事故を受け、浜岡原発の海側に海面から高さ12m以上の

防波壁を新設するなど、住民の信頼を取り戻すための新たな対策を迫られている。


これに対し、御前崎市など浜岡原発の地元四市では、首長からも「前提が覆った。

絶対安心と言われない限り(原発を)止めていただきたい」(西原茂樹・牧之原市長)

「(想定が)マグニチュード9.0を超える対策でなければ原発推進は認められない」

(松井三郎・掛川市長)と厳しい声が上がっている。


原発に対する逆風の中、中電は当面、定期点検中の3号機の運転再開に力を入れる。

月内に、福島第一原発と同様津波被害で外部電源やポンプの機能が失われたとの想定で

発電機車を使った電源の復旧などの訓練を実施。


緊急時への備えを示すことで住民の不安を打ち消し、4月上旬をめどに運転を再開したい考えだ。


中電の水野明久社長は23日の記者会見で「浜岡原発は電力の安定供給に欠かせない電源だ。

安全対策を丁寧に説明していくことに尽きる」と強調。地元理解へ最大限努力する姿勢を示した。



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中電 浜岡6号機は2016年以降に 1年先送り

 プルサーマルも延期


中部電力は23日、2015年を予定していた浜岡原発(静岡県御前崎市)

6号機の着工時期を、早くても2016年以降に先送りすると正式に発表した。


4号機で来年3月以降に計画していたプルサーマル発電(使用済み核燃料を

再利用した発電)も2013年以降に延期する。


東京電力福島第一原発の事故で、住民らの不安が膨らみ、浜岡原発でも

安全対策を強化したうえで地元理解を得るには時間がかかると判断した。


中電が最重要課題に掲げてきた原発推進の目標は修正を強いられ、

電力の供給計画に影響するのは必至だ。


水の明久社長は同日の定例会見で「福島第一原発の事故は大変重く

受け止めている」と述べ、当面は浜岡原発の既存施設の安全対策を

最優先する方針を説明。


6号機の着工時期について「津波対策の進捗状況によって決めていく。

一番早い工程で見た場合に着工できる時期が2016年」と述べ、さらに

遅れる可能性も示唆した。


中電は、2030年をめどに新たな原発2,3基分の建設を目指す方針を

2月に打ち出したばかり。


水野社長は「エネルギー安全保障や環境保全の観点から、原発の重要性は

変わらない。時期はずれるかもしれないが、2030年に向けて努力を進める」

と述べ、遅れが出ても原発を推進する姿勢を強調した。


2011(H23)年3月24日中日新聞

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東京電力福島第一原発の事故が起きた後も、中部電力は新たな原発の

着工できそうな日程を探っている。 


中電は地元住民に理解を得られるようにとしているようだが、原発事故は

放射性物質が大気を汚染すれば地元住民だけでなく、国民全体、世界中の

国々に対して不安を与える。


日本国民全体に理解が得られないかぎりは着工するべきではないと思う。


オール電化住宅を推進する以上は原発を増やさなければ電力量不足が解消されない。

ただ、それだけの理由で次々と原発を増やすんだろうか?


日本は地震多発地域で、特に浜岡原発は地震プレート上にあるというので、

津波被害だけではない、もっと恐ろしい被害も考えられるかもしれない。


複雑な構造の原子炉を点検や表向きの修理をしても、本当に大きな問題を

抱えた時に対処できる人材がいないのなら、むやみに原発を増やすのは

危険に対するリスクが高まるだけのような気がしてならない。