ムバラク大統領は、10日夜(日本時間11日午前)にスレイマン副大統領に

権限委譲し国内の保養地シャルムエルシェイクに軍用機で移動したが、

9月まで政権の早期移行はしないと否定していた。


その後、反大統領派デモの抗議が強まり、ついにムバラク大統領は辞任し

ムバラク政権は崩壊した。

ムバラク氏は、現在、体調を崩しているため保養先からドイツへ向かうのでは

ないかと情報もある。


これまで中立を守り国民を統制してきたエジプト軍の立場について、

軍は憲法の代わりになるのではなく国民を代表している、そしてこの変革を

歓迎しているとしていると国民の立場であることを強調し表明している。

国民もまた、軍の存在がなければ国が混とんとしてしまうことを理解しているため

軍の存在までは拒否できない立場にある。


今後数カ月をかけて、軍の最高評議会が改革と民主化の選挙に向け始動するが、

正しく機能を果たすかどうかを国民は見極めていくことになる。

また、憲法改正については、エジプト国内の法についての専門家らによって

話し合いが持たれることになるのではないかという。


タハリール広場で反政府デモを続けてきた多くの民衆はムバラク政権崩壊に

歓喜の声をあげ、法の秩序を守る民主的な議会政治を望んでいるというが、

イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の台頭が懸念されている。




今回、エジプトの抗議デモの中心的人物になったのは、グーグルのエジプト社員

ワエル・ゴーニム(Wael Ghonim)氏でFacebookで抗議デモの参加を呼びかけた

発起人の人物だった。


10日間ほど拘束されて消息不明になっていたが、その後、解放されてからは

メディアで拘束されていた時に拷問を受けて殺害された仲間がいるなど、

ソーシャルメディアが切断されてからの状況を語ってきた。