オバマ政権において、ブッシュ政権下で司法省による詳細な

拷問のメモを発表したことが、今、大きな波紋を呼んでいる。


ウォーターボーディング(板の上に身体を拘束して逆さまにし、

顔側を地面、足側を天井にして、顔にバケツの水をかけるなど)

具体的な拷問のテクニックを詳細に説明したものである。


これに加えて、何ができるかなどが書かれているメモだが、

弁護士によれば、これは違法ではないということである。

他にも拷問の方法として、狭いボックスの中に拷問者を入れ、

恐ろしい虫を放ったというようなことも書かれてあったという。


オバマ政権は、ブッシュ政権時代のそれらのメモを発表したのだった。


グアンタナモ収容所では、トップのテロ容疑者にプレッシャーをかけるために

拷問が行われていた。  今は禁止したが、それが大きな問題になっている。


元CIA長官、元司法長官は、政府のテロリストの活動に関しての情報の半分は

こういった尋問から得ることができたと語っている。


テロリスト達は、アメリカができることの限界を知ることになると話しているという。


ブッシュ政権時代の国家安全保障顧問は、

「これを発表すること、プロに屈辱を与えること、議会が捜査を行うこと、

これらはアメリカの情報社会に危険を与えることだ」。

と、オバマ政権に対して怒りをあらわにしている。


ブッシュ政権批判派は、ウォーターボーディングのような拷問は歴史的にみても

センセーションを起こすものであり、11日間も睡眠をはく奪したり、狭い場所に閉じ込める

などの手法は古いもので、テロリストらは、こういったことを知り尽くしているという。

実際に、これまで何度となく、こういった拷問テクニックを使ってきたためだ。


先月、上院のパトリック・リー司法委員長が、このメモの発表の準備を始めた。

アメリカの道徳的な指導力を回復するために、ブッシュ政権下で行われてきた

過ちを認めなくてはならないということで開示したという。


情報を発表するのは行き過ぎた行為だというオバマ政権に対する批判的な意見と、

誰かが追訴されなければ、充分な追及とは言えないだろうと政治犯罪として扱うべきと

2派の論議が戦わされている。


こういった拷問テクニックは、ソビエト連邦やナチのドイツにもさかのぼるもので、

新しい手法ではない。