エジプトで起きた大々的な抗議デモに頭を痛めているのがアメリカで、

これまで、30年間も続くムバラク政権を支持してきたので、今、

どのような対応をすれば良いのか、その判断を迫られている。


オバマ大統領は、市民の抗議デモに対して人権、言論、誰が国民の代表に

ふさわしいかは国民に選ぶ権利があると語り、切断されたソーシャル・

ネットワークを開始することを望むと語ったという。


ムバラク政権を支持することと、市民の抗議デモを支持することの

両方では、考え方に矛盾があるような気がしてならない。


オバマ大統領はムバラク大統領に事態を治めるように促したとされるが、

ムバラク大統領が取った行動は、大統領はそのまま続けることにし

内閣を解散させ、新たな内閣を発足するという方法だった。


現実的に、ムバラク政権が崩壊した場合に誰が次期政権を引き継ぐのかと

いえば、長らくムバラク政権が続いてきただけに、後継者になりそうな

人物がいないのが現状という。


IAEA元事務局長モハメド・エルバラダイ氏は、現在、エジプトに帰国して

デモに参加後に自宅軟禁になっているが、海外にとっては名の知れた人物でも

国民の多くは、海外生活の長かった貴族のようなエルバラダイ氏を大統領に

する気もないようで、再びエルバラダイ氏が大統領候補に挙がれば

批判キャンペーンなどが展開される可能性もはらんでいる。


結局、抗議デモは一時的なもので鎮静化に向かうのか、新たに若い大統領候補が

登場して、ムバラク政権は崩壊へ向かうのか、まだ先が見えてこない状況という。


ムバラク政権は独裁政権ではないと表明しアメリカもそれを支持してきたが、

エジプト国内では、ムバラク家は王家のような生活をしており、

国民の暮らしぶりには目を向けることもなく理解を示さないと不満が高まっていた。


今回、若者たちの間で、ソーシャルネットワークによる数十人程度のつぶやきが

エジプト全土に広がり国民全体の暴動に発展したものと言われている。