2009.5.3
ロシアとアメリカの核廃絶のための第一歩
北朝鮮がミサイル発射実験を行った後の4/8に情報番組を見ていたら
あるコメンテーターが「ミサイル発射の後は核実験を行うかもしれませんよ」と、
恐怖をあおるような発言をしていた。
その発言者は、どれほどの裏づけがあって語ったのかが気になった。
では北朝鮮が、核兵器を何個ぐらい持っているのだろうか?
私達の隣国といえば、北朝鮮だけではなく中国もあるので
それを心配をするなら、北朝鮮だけが問題ともいえないようだ。
核爆弾の数では、中国の保有数は世界第4位を誇っている。
世界各国は核兵器を、どのくらい保有しているのかというと、
今、9カ国で23000以上の核兵器が存在している。
ロシア 13000個
アメリカ 9000個
フランス 300個
中国 240個
イスラエル 80個
イギリス 185個
パキスタン 60個
インド 60個
北朝鮮 5~6個
世界中で、核兵器の大半を所有しているのはロシアとアメリカで、
数字の上では、この2カ国が、世界で最も危険な国ということになる。
ところがアメリカの言い分としては、自分達の承知していない国家が
核兵器を所有することは許さないという話である。
これはアメリカを正当化しているだけで、核爆弾を持たない日本から考えれば、
五十歩百歩のような話だ。特にアメリカとロシアは地球を滅ぼしたいのか?と
思えるほどの無駄な数を持っている。
なぜ、こんなに大量に核兵器を持ち、麻薬密売、武器売買までしているようなアメリカは、
「悪の枢軸」と言われることなく、何の制裁も受けずに済んでいるのかと思えてきた。
また、イスラエルはイランが核兵器を持つことを恐れているというが、
イスラエルも、しっかりと核兵器を所有している。
そして、イランが核製造施設を作れば、そこを攻撃すると怒っている。
もしイランに核施設を放棄させたければ、まずイスラエルが核兵器を
放棄すれば良さそうだが、アメリカはイスラエルに対しては査察を厳しく言わない。
ところが、イランに対しては厳しい態度で査察をすると言い、違反があれば厳罰を与え、
厳しい制裁をするとまで言っている。 その基準としているレベルがわからない。
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アメリカは、ブッシュ政権からオバマ政権に交代してからは軍事費を
大幅に削減することを考えている。
現実的に、これまで保有してきた核弾頭や新しい戦略兵器の削減条約を
ロシアとの間で、今年中に交渉を始める予定にしている。
ロシアも、今頃になり、核兵器を持ちすぎたと後悔しているようで、
積極的に、核廃絶する方向で、早い時期に交渉を始めたいとしている。
また、日本にとって朗報なのは、アメリカとしては、今後は、
核分裂物質生産禁止条約を、新たに探っていきたいという点だ。
兵器の材料を作っている国々、主に、インド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮などだが、
こうした国々に対して核兵器の製造、売買などを制限し、圧力をかけることを目的としている。
ところが、これらの国々は、そうういった条約にはまったく無関心である。
もう一つ、核兵器を持たせないために、厳しい査察、制裁、国際燃料バンクを
創設するとしている。それによって、各国が核拡散のリスクを高めずに
核を平和目的で利用できるようにするとしている。
すでに国際燃料バンクは創設されているという。
さらにテロリストに核兵器などが行き渡らないことを目的としているが、
現実的には、専門家達は難しいと語っている。
こうした核兵器を持つ国の大半は、盗難から守るための手続きについて
国家機密にしているために、情報が出てきにくいためだ。
それでも核兵器などの削減については、ロシアもアメリカも同じ考えを示しており、
国家安全保障会議などでも、核を持たない国々が、イラン・北朝鮮などに
圧力をかけられるように、前向きに働きかけを行っていきたいようだ。
これは条約が成立すれば、日本で単独で行う制裁よりは遥かに効果的だと感じる。
ただ現実的には、核保有国の間で核兵器や武器、ミサイルなどの削減に反対する
国の方が多ければ考えがまとまらず、その条約が成立するとは考えにくい。
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2009年4月
北朝鮮のGDP(国内総生産)から見る貧困度
北朝鮮経済の規模は、本当に小さい。
OECD(経済協力開発機構) によると、
北朝鮮のGDP(国内総生産)は、400億ドル程度の規模だといわれている。
国民1人あたりの所得は、日本円で平均17,000円程度。
韓国のGDP(国内総生産)は、1.3兆ドル程度である。
国民1人あたりの所得は、日本円で平均2,600,000円程度。
日本のGDP(国内総生産)は、4兆ドル以上である。
国民1人あたりの所得は、平均3,400,000円程度。
北朝鮮で暮す人たちは、援助を受けなければ単独での生活は
困難なくらいに、ひどい生活を強いられているのがわかる。
孤立主義を取っているので、制裁をしても あまり効果はないという。
中国とロシアの協力がなければ、この国は、さらに悪化するとみられているが、
WFP(国際連合世界食糧計画) は、北朝鮮人口の約4割が食糧支援を
必要としているとしている。
経済援助は、中国が最も多く継いで韓国が援助をしているが、
主に食料や肥料などの援助物資が多い。
ところが最悪なことに、平壌は、ワシントンからの援助は受け取らないと拒否しており、
また韓国の支援など求めていないと、突っぱねているために、今、問題になっているという。
それでも、北朝鮮は経済的には大変に貧しいが、軍事力は誇っており、
ミサイルや兵器などの軍事費には、多大なる費用をかけている。
兵士は120万人おり、陸・海・空軍とそろえている。
15歳~54歳の、北朝鮮人民の約2割が軍人になっている。
この国は、GDP(国内総生産)の約4分の1の、100億ドルを軍事費にかけている。
数値で見てみると、北朝鮮がどんな規模の国なのかがわかりやすいが、
21世紀になっても、戦前の日本を見ているようだ。