世界のできごと


4月7日記事


今年1月のブッシュ政権から、ちょうどオバマ政権に移行される直前頃の話になるが、

チェイニー前副大統領は、イスラエル政府の指導部とガザ紛争直前に連絡を取り、

「オバマはパレスチナ寄りである」と、イスラエル政府に吹き込んだ、という話がある。


チェイニー氏は、現国家安全保障問題担当補佐官のジェームス・ジョーンズに

伝えたところ、それが、そのままジョーンズ氏からオバマ大統領に伝わったという。


これを報道したのが、ニューヨーカー誌のコラムニストSEYMOR HERSH氏だ。

1月20日オバマ大統領の就任式が行われたが、オバマ政権移行チームは

その前に、「ガザ地区への攻撃を停止するように」と伝えていた。


イスラエル側はオバマ政権に移行することで、今後、イスラエルへの配慮がなくなる

ことを恐れた。


そこで、アメリカ新政権がイスラエル政府に何か要求があるのであれば、

何かの条件を受け入れなければならないとし、スマート爆弾や武器など調達を

アメリカ政府に要求した。またオバマ氏も、イスラエル政府が求めるものを与える

用意があると説明していたが、結局のところ、就任式前後もイスラエルは

ガザ地区への侵攻をやめることはなかった。


シリアのアサド大統領も、ガザ地区への攻撃をやめさせるために仲介に入ろうと来た。

そこで、アサド大統領はゴラン高原のことで譲歩する用意があるとイスラエルに対して

地域会議を促すなど取引を用意していたが、アメリカの新政権に対する不信感などが

強くなり、ハマスへの攻撃は増していったとみられている。


もし、チェイニー氏の余計なひと言がなければ、もっと早く停戦に入り、多くの犠牲者を

出さずにすんだかもしれないということだろうか。




ブッシュ政権時代に、チェイニー前副大統領のセキュリティアドバイザー

ohn Hannah氏のコメント


ニューヨーカー誌は、我々が見てきた現実とは、まったく違うことを書いている。

チェイニー氏は、オバマ大統領が選んだ国家安全保障の担当者を、大変に

素晴らしい人物であると評価していた。


オバマ政権になれば、「イスラエルはメジャーリーグに選ばれることはないだろう」

など言ったとは、そんなことは考えられないことだ。


確かに、オバマ大統領のやり方では、アメリカを危険にさらしていると語った部分はあったし、

政策については、色々な相違点があるとは思うが、いわれのないことまで伝わっては困る。


オバマ大統領がパレスチナ寄りとか、最高司令官に適さないなどと言うはずもなく、

それは事実として認められないことである。


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これは、笑い話としては聞けないのが、日本も気をつけなければならない。

やはりチェイニー氏のような人物が、日本の政府高官に向かって


「ブッシュ政権時代は日本と親密な関係を築けたが、オバマ大統領の

政権ではそれを築くことができない」


と、語るようなことがあれば、やはり、アメリカの政権に対して、政治的な不安や

誤解を与えかねないところがあるように思った。


実際に、チェイニー氏は、ラリーキングライブなどに出演して、オバマ政権を

痛烈に批判していた。特に、グァンタナモの閉鎖については怒り心頭だった。

軍事的なやり方に対しては、相当に不満を持っていることは確かのようだ。