YOUSSEF BOUTROS-GHALI氏

世界のできごと


ロシアの大統領との会談を終えると、オバマ大統領は中国の胡錦濤国家主席との

会談を行った。オバマ大統領は、今年後半に中国を訪問することが決定した。

グローバルな世界の金融危機が始まって以来、中国は、自己主張を強めている。


主要経済国の中で、唯一、プラス成長見込んでいる国であり、その経済成長率は8%の

見通しであると発表している。中国は、この経済力を政治的な影響力に変えたいと

考えているようだ。たくさんの現金があり、経済成長しており、銀行セクターが健全であるため

中国は、G20で強力な立場に立っており、今、それを実感している。


そういった中で、IMFも経済成長を遂げる中国の影響力を重要視しており、

戦後最大の変革をしていこうと、今、新しい制度を求めて積極的に動き始めている。



IMF国際通貨基金を監督、政策立案グループトップ

エジプト財務省に務める  YOUSSEF BOUTROS-GHALI氏の談話


IMFは、ちょうど新しい21世紀の課題に応えようと変革を始めたところである。

忘れてはならないのは、IMFが作られたのは前世紀の半ばに課題のある中で

生まれたものである。今、ちょうど、IMFの構造やオペレートの仕方、世界の

経済との対応の仕方を見直していく時期にきている。


これは、IMFが誕生して第二次世界大戦後の最大の変革といえるものである。

劇的な変化である。予想では、2009年の現実を反映したものになるだろう。

新興国が、より発言権を国際貿易、国際金融市場で持っている。

そして、世界経済の管理の仕方にも発言権を求めている。


究極的に、新興国こそが今後、近い将来の成長の原動力になると、

そういった現実を反映したものになると思われる。


IMFの効果の障害になっているものは、リソースの欠如である。

それに対しては、厳しく強制的に対応していくことになるだろう。


今のところ、そういったリソースを使って困っている国を助ける手段がないと

いった問題点を抱えている。IMFの持っている手段は陳腐な現実にそぐわない

ものになっている。そしてもう一つ、制度の統治の仕方を、今の現実的な

グローバル政治経済に反映したものにしなくてはならない。


権力の均衡に、アメリカ、ヨーロッパから、今や中国やラテンアメリカなどに

すでに移行が始まっているが、それを制度化する必要がある。

その移行を認識して、1944年に署名された国際的な協定に盛り込んで、

それを現実に反映させていかなければならない。

その制度化した現実に従わなくてはならない。


中国の要請、今後の役割は、どんな新興市場においても、国際制度で、

経済力のあるところが、意思決定で、より大きな役割を果たすことを求めるだろう。

どのように国際経済のテコを使っていくのかについて、意思決定の権利を求めて

いくことになるのではないか。