2月4日 保護主義に危機感を抱くヨーロッパ
最近、CNN、BBCのワールドニュース番組の契約をしてから
殆んど、民放テレビのドラマなどを見る機会がなくなった。
有料番組だから見ないと損をするというのもあるけど、
日本国内では、あまり大きく報道されていない内容に
興味深いことが多くある。
今日は、イランが初めて宇宙に衛星ロケットを打ち上げ、
成功したことが大きく報道されていた。
他の国々は、実験段階から反対していたらしいので、
とうとう打ち上げてしまった・・といった雰囲気だった。
イランによると、テレコムの目的で使われるということだった。
イランの大統領は、平和のメッセージを伝えるものだと発言しているが、
核開発計画同様に、核弾頭を搭載できるものではないかと
西側諸国は懸念を抱いており調査している。
先日、スイスで行われていたダボス会議について、日本では
あまり大きく取り上げられていなかったが、海外では、
ダボス会議後も、そこで議題にあがったことが問題となっている。
特に、「保護主義」については大きく取り上げられている。
米ロなどが保護主義に走り始めていることを、中国やヨーロッパの国々は
危機感を持っている。特に、中国の温家宝首相は、ヨーロッパ各国を
周って、積極的に貿易体制を築き上げていきたいと働きかけをしている。
昨日、温家宝首相はイギリスに入り、ブラウン首相と会談を行った。
中国は、日本に対しては威圧的で、あまり低姿勢に出るような印象がない。
ところが、ヨーロッパでは、とても謙虚な態度で悪い部分を認め、
食の安全などの問題点を改善し、国際社会、消費者の信頼を回復
していかなくてはならないと公言していた。
それに対して、イギリスは中国との間で貿易額の倍増を約束するといった
内容だったが、ヨーロッパは中国の経済発展に期待をかけていることが
伺える内容のものだった。
世界中、今は、どこの国も保護主義に走って、輸出入を受け入れないことで、
ますます企業倒産が進み、雇用問題が深刻になることを恐れている。
ワールドニュースの中で、日本の麻生首相は、ほんの数秒だけ登場した。
「日本は、新興国などのために170億ドルを用意しています」という部分だけが
報道されていた。
そして、ダボス会議で、唯一、日本は最も具体的で建設的な提案をしたと
高く評価されて、お金を支出することに期待をされていた。
海外から、日本がどう見られているのかなと思ったら、ヨーロッパやアメリカが
最も日本に期待をして注目しているのは、為替の介入についての事だった。
「いったい、日本は、いつごろに為替介入をするのだろうか?」
日本国内では、ヨーロッパなどと足並みを揃えたいとしているが、
ヨーロッパなどは、日本が単独で為替の介入に踏み切るのではないかと
目をギラギラとさせて、今か今かと待ちわびていた。
外側から日本を眺める視野を持ってみると、つくづく、日本は
島国だなと感じた。そして、ヨーロッパでは中国の役割が
大きくなってきていることを強く感じた。