月の光に

 

 

遥か遠く水底に 故国ありても   

 

戻られぬ  泉で戯る水の精霊

 

空高く 放り投げた金色の

 

指輪に光る 涙のしずく

 

ゆっくりと 泉の底に沈みゆく

 

渦の波紋 心に広がる

 

 

 

眠るころ 窓辺にたたずみ

 

やさしい夜風に 頬なでられて

 

潮騒のさざめく音色に 波うつ鼓動

 

髪くしけずり待ちわびて あの人を想う

 

海上にぽっかり浮かぶ上弦の月

 

秘めた心に せつなさ想う

 

 

 

窓の外のあなたから愛しいと

 

水色のセレナーデを奏でられ

 

あなたへとどけと 心を放り

 

伸ばした指先に そっと優しくkissをされ

 

ブロンドの長い髪 両手に抱きしめられて

 

月の女神に おやすみなさいをささやく

 

 

 

詩:小久保典子