(その1から続く)
それから多少、紆余曲折はあったものの一人の親友に騙され(?)、この世界に足を踏み入れてしまいました。最初はアルバイトを派遣する会社に契約しました。コンサートや展示会などの施工を行う“バイトくん”です。
初めての現場が、今は忘れましたが、外タレのコンサートの撤去作業でした。1992年の11月初旬の日本武道館でした。夜の8時くらいに集合しました。もちろん、初めて会う人たちばかりです。ほとんどの人が20歳そこそこ、年くってても25,6くらいだったと思います。私は、当時29歳。すっかりオヤジでした。今は29歳じゃあ、「まだまだガキじゃん」とは思いますが...(爆)
年下の先輩に促されて、日本武道館の地下(にあたる部分)に降りていきました。そこは、なんだかカビくさい臭いが。でも、私は少し落ち着きました。小学生から高校まで剣道をやっていた私にはあまりに懐かしく、癒される(?)臭いだったのです。
ただ、その場は異様な雰囲気でした。これから何が起こるか知っていてのんびりしている人と、こんなとこに連れてこられて何やらされるんだろう...ドキドキ、てな感じの人が入り交じっていました。私もその中の一人だったかもしれません。
おまけになんか偉そうな人(彼も年下だった)に、「君から君までは照明班。この(ヘル)メットを被って!、次は音響班!、次は楽器班!...」などと、ほとんどモノ状態で、班分けをされました。私は楽器班だったのですが、楽器らしい楽器はほとんどさわったことの無い私には、外人ミュージシャンの高い楽器をさわるのは勇気が入りました。中学・高校とギターを弾いたりはしていましたが、初めての日本武道館!(ちょっと逸れますが、日本でプロになって、メジャーになったかどうかの目安がこの武道館でコンサートをやったかどうかで判断されると聞いたことがあります)で、初めてやること...正直早く帰りたかったです(涙)
そうは言っても、撤収ですから、時間も無く、楽器担当のスタッフからの怒号の中、なんとか仕事を終わらせることができました。今思い出しても、最初にぼうっと立ってたら、仲間の一人が「何かやってるフリしないと殴られるよ」と教えてくれなければ、ホントに殴られていたでしょう。実際、ケリを入れられていた人はいました。今は、そういう所に行かないのでわかりませんが、今でもコンサートの撤収作業時は、みんな眼を三角にしてやっているのでしょうか(^_^;) (...続く)