トマト

 

登場人物

女子高生

綾・・・野菜嫌い、おやつ好き
友梨・・綾の親友。
麻美・・大食いモンスター。
ミク・・存在感が薄い。

先輩

さつき・キツイ。
景子・・フォロー好き。
亜希・・謎。

ゲスト③より
おみつ・妖怪です。

ゲスト⑤より
祐名・・寝るのが好き。

ゲスト⑦より
マオ・・あんこ好き。

 

先生

優子・・厳しい。特技はチョーク投げ。

 


教室。
料理コンクールの決勝が行われようとしていた。
決勝は1対1で行われる。

優子「それでは
   料理コンクール決勝戦を始めます。」

生徒「おお!」

優子「第1試合は
   さつきさんと友梨さん!」

生徒「おお!」

生徒から歓声があがる。
友達の友梨が出場するので
綾は応援する。

綾「友梨ちゃん
  がんばってね。」

友梨「ありがとう。
   精一杯がんばるね。」

友梨は自分のキッチン台の前に立つ。
一方、
対戦相手のさつきは余裕みたいだった。

さつき「優勝は私のものよ。」

景子「がんばって。」

亜希「ふにゃ。」

さつきも自分のキッチン台の前に立つ。
先生が1回戦の食材を発表する。

優子「第1試合の食材は・・・
   トマトです!」

生徒「おお!」

優子「トマトは栄養が豊富で
   リコピンは生活習慣病予防や老化抑制に効きます。」

友梨「トマト!?」

さつき「楽勝、楽勝。」

友梨とさつきは開始の準備する。
先生が開始の合図をする。

優子「それでは1回戦
   はじめ!」

友梨とさつきが料理を始める。

綾「友梨ちゃん
  がんばって!」

友梨(ん・・・
   何をつくろうかな?
   とりあえず切ってみよう。)

友梨はトマトを切り始める。
一方
さつきはトマトをお湯に入れ煮込みだす。

友梨「できた!
   トマトのぶつ切りサラダです。」

綾「すごい友梨ちゃん
  もうできたなんて。」

さつきは湯煎したトマトの皮をむき
フライパンにひき肉とトマトを入れ
ミートソースを作る。
パスタを寸胴鍋で煮込み
お皿に柔らかくなったパスタを入れ
ミートソースをかける。

さつき「ナポリタンパスタの完成よ。」

2人の料理ができた。
それを先生が食べて判定する。

優子「さつきさんの勝ち。」

生徒「おお!」

さつき「当然ですわ。」

負けた友梨は綾の元に返ってくる。

友梨「負けちゃった。」

綾「友梨ちゃんのカタキは
  私がとるよ。」

友梨「綾ちゃん
   がんばってね。」

勝ったさつきサイドは

景子「おめでとう。」

亜希「ふにゃ。」

さつき「当然ですわ。」

さつきは髪をなでながら
余裕だと言わんがばかりの態度である。

先生が次の試合の出場者の名前を呼ぶ。

優子「第2試合
   おみつさんと祐名さんです。」

生徒「おお!」

優子「第2試合の食材は・・・
   トマトです!」

生徒「ええ!」

同じ食材に批判の声があがる。
おみつはいるが
対戦相手の祐名はいなかった。


場面変わり屋上。
祐名は昼寝をしていて起きなかった。

祐名「zzz~。」


場面戻り家庭科教室。

優子「おみつさんの不戦勝です。」

生徒「おお!」

おみつ「・・・。」

優子「続いて第3試合は
   亜希さんとマオさんです。」

生徒「おお!」

優子「第3試合の食材は・・・。」

綾「まさか・・・。」

優子「トマトです!」

生徒「ええ!」

生徒の反感の声に
先生はチョークを持って威嚇する。
生徒は静かになる。

友梨「あ!?」

綾「どうしたの?
  友梨ちゃん。」

友梨「見てみて。
   先生の足元。」

綾「あ!」

先生の足元にはトマトが2つあった。

綾「まさか・・・。」

友梨「きっと綾ちゃんの試合の食材もトマトだよ。」

綾「トマト!?
  うぅ・・・。」

友梨「綾ちゃん!?」

綾は野菜のトマトと聞いて
気絶する。


亜希とマオの準備が整う。
先生が開始の合図を言う。

優子「第3試合
   始めて下さい!」

亜希はトマトの皮を曲芸のようにむき始める。
マオはトマトをスライスしていく。
2人の料理が完成する。

亜希「トマトの雪だるま
   ふにゃ。」

マオ「スライストマトとあんこの
   ミックスサンドイッチ。」

亜希のトマト雪だるまは
芸術品のような完成度だった。
一方
マオのトマトにあんこを添えたものは
見るからに不気味だった。

先生はそれを見て、
食べることなく

優子「亜希さんの勝ち!」

亜希子「ふにゃ!」

生徒「おお!」

亜希はさつきや景子の側に戻ってくる。

さつき「楽勝ね。」

亜希「余裕ふにゃ。」

景子「勝ったら亜希と対戦ね、
   楽しみ。」

亜希「ふにゃ。」

さつき「どちらが決勝に来ても
    私の優勝に変わりはありませんわ。」

3人「ホッホホホホホ!」

3人は笑う。


場面変わり
綾の夢の中。
いつものように綾は巨大化してる。
目の前には巨大化したトマトがいる。
学校のグランドにいる。
学校は綾の足元にあり踏んでしまいそうだ。

綾「さぁ!
  かかってこい!」

トマトが綾に飛びかかる。

トマト「綾ちゃん大好き!」

綾「え!?
  トマトがしゃべった!?」

トマトは綾に抱き着く。

綾「ギャア!」

綾の目の前に笑っているトマトさんがいる。
綾は泣きじゃくっている。
すると
いつものように神様の声が聞えてくる。

神「綾、綾。」

綾「神様!
  トマトをのけて下さい!
  私死んじゃいます・・・。」

神「綾、
  トマトが嫌いですか?」

綾「だって
  赤いし、丸いし、
  中はグチュグチュだし
  トマト大っ嫌い!」

神「困りましたね。
  トマトさんは綾のことが大好きなのに。」

綾「えぇ!」

神「綾、
  少しでもいいので
  トマトさんのことを好きになってあげてね。」

綾「無理です!」

神「野菜の平和を守れるのは
  あなただけなのですから・・・。」

綾「野菜の平和ってなんですか?」

神「あなたには野菜の声が聞えるのだから・・・。」

綾「野菜の声!?」

綾は目を覚ます。
綾は教室にいる。

綾「なんだったんだろう!?」

友梨「綾ちゃん大丈夫?」

綾「う、うん。」

友梨「トマト、
   トマトって
   うなされていたよ。」

綾「あははっ・・・、
  夢にトマトが出て襲われてたの。」

第4試合の開始を先生が告げる。

優子「第4試合は
   景子さんと綾さん!」

友梨「綾ちゃん
   がんばって。」

綾「友梨ちゃん
  いってくるね。」

景子と綾は自分のキッチンの前で立つ。
綾はお気に入りのクマさんエプロンをしている。

優子「第4試合の食材は・・・
   トマトです。」

生徒「ええ!」

優子「チョーク乱れ投げ!」

その声にイラっとした先生は
ありとあらゆる方向にチョークを投げまくる。
命中した生徒は倒れていく。
生徒は静かになる。

優子「それでは
   第4試合を始めて下さい。」

綾と景子の試合が始まった。
景子はトマトとアボカドを切る。
そしてオリーブオイルをかけ
簡単に料理を完成させる。
景子の料理の腕前は
プロ顔負けであった。

景子「できました。
   トマトとアボカドのカルパッチョです。」

生徒「おお!」
生徒「おいしそう!」
生徒「食べてみたい!」

友梨「・・・綾ちゃん。」

さつき「景子の勝ちね。」

亜希「景子ふにゃ。」

景子は綾に笑顔で言う。

景子「ごめんね。」

綾「うぅ・・・。」

綾はまだ何もしていなかった。
景子の手際の良さに見とれていて
何も手をつけれていない。

綾(景子先輩の料理は完璧だわ・・・
  私にはあんなきれいな料理はできない。
  あぁ~どうすればいいの!?
  あわわわわ~。)

綾は心の中で頭を抱えている。
そんな時
どこからか声が聞える。

トマト「綾ちゃん、
    綾ちゃん。」

綾「え!?
  何!?」

トマト「綾ちゃん、
    ここだよ。」

綾「ぎゃあ!?
  トマトがしゃべつった!?」

トマト「新鮮なトマトは
    何も書けないのがおいしいよ。
    私をミキサーかけて、
    トマトジュースにしてね。」

綾「え!?
  そんなことをしたら
  トマトさんは
  グチャグチャになっちゃうよ。」

トマト「いいよ。
    だって綾ちゃんが大好きだから。」

心の中に光が溢れ
綾は現実に戻ってくる。

綾「はっ!?」

綾はトマトをじっと見つめる。
トマトは何もしゃべらない。

綾「よし!」

綾は決心した。
ミキサーを持ってくる。

綾(トマトさん、
  ごめんね。
  ん!?
  あれ!?
  私はトマトが大っ嫌いなのに・・・!?)

綾は我に戻る。
そしてトマトをミキサーに叫びながら放り込む。

綾「野菜なんか・・・
  トマトなんか・・・
  大っ嫌いだ!!!」

なぜか綾の目には涙がにじむ。
ポチッとミキサーの電源を入れる。
「ジュイン~!」と
トマトを細かくしていく。
そして完成する。

綾「トマトジュースできました。」

景子と綾の料理ができあがった。
先生はまず景子の
トマトとアボカドのカルパッチョを食べる。

優子「おいしい。
   トマトとアボカドに
   オリーブオイルがよくあってます。
   さすが景子さん。」

景子「先生、
   ありがとうございます。」

次に綾の料理。
テーブルにはトマトジュースの入った
グラスだけが置いてあった。
先生はトマトジュースを飲む。

優子「おいしい。
   これに入っているのはトマトだけですか?」

綾「はい。」

誰もが景子の勝ちを確信している。
綾も自信がなく諦めていた。
先生が第4試合の勝者を発表する。

優子「第4試合の勝者は・・・
   綾さんです。」

生徒「ええ!?」

綾「え!?」

景子「あらら!?」

さつき「なんですって!?」

亜希「ふにゃ!?」

会場全体がどよめく。
先生が判定の説明をする。

優子「確かに景子さんの料理はおいしかったです。
   お店で出しても十分通用するでしょう。
   ですが、
   綾さんのトマトジュースのトマトの方が
   トマトが生きています。   
   これはトマトの
   フレッシュジュースと言うべきです!」

生徒「おお!」

綾「やった!」

友梨「綾ちゃんよかったね。」

2人「わーい
   わーい。」

綾と友梨は喜ぶ。
一方、
さつき達は

景子「負けちゃった、
   ごめんね。」

さつき「たまたま
    あの子のトマトが新鮮だったってだけじゃない!?」

景子「あの下級生・・・
   食材の目利きができるんじゃないかしら?」

さつき達は綾を見つめる。
友梨と2人ではしゃいでいる姿を見て
さつきは首を横にフルフル。

さつき「ないない。
    亜希、
    今度こそ倒しちゃいな!」
    
亜希「ふにゃ!」


視点が綾サイドに戻る。

トマト(綾ちゃん
    おめでとう。)

綾「え!?
  友梨ちゃん
  何か言った?」

友梨「言ってないよ。」

綾はミキサーに残ったトマトジュースを見つめている。
綾にはトマトさんの声が聞えたような気がする。

綾(トマトさんのおかげなのかな・・・?)

友梨「綾ちゃん 
   今度は準決勝だね。」

綾「うん、
  がんばるよ!」

友梨「綾ちゃんなら
   優勝できるよ!」

綾「優勝して
  おやつ1年分もらうんだ!」

友梨「そっちか~。」

2人「ハハハハハッ!」


こうして綾は初戦に勝利し
準決勝に進む。
おやつ1年分を目指して・・・
じゃなかった。
料理コンクール優勝を目指して。

綾はトマトが好きになった
(かもしれない。)

準決勝につづく。