いとこのバッグからはみ出している桜の小枝、
一輪咲いている。
叔父の棺へ入れた。
叔父の遺言で、先に逝った叔母との手紙も棺に入れて燃やして欲しいと。
誰も読んだことのない二人の手紙。

はなよりほかにしるひともなし