最近、この要因を会社経営の頂点=目的に据えるべき…
といった声をよく耳にするようになった。
ここ数年、多くの企業で、企業理念づくりが盛んに
なったが、そのキッカケとなったのは、
世界的な医療系企業のJohnson&Johnson社 の
企業理念がモデルになったようだ。
さらには、リッツカールトンホテル が
MISSION & CREDOという
ネーミングで、サービススタイルを確立させ、
理念型経営のムーブメントに拍車をかけていった。
そこで、J&J社の場合だが、その企業理念を我が信条として、
全世界の社員が共通に認識している。
【ジョンソン&ジョンソン 企業理念】
我が信条
我々の第一の責任は、
我々の製品およびサービスを使用してくれる医師、看護師、患者、
そして母親、父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する。
顧客一人一人のニーズに応えるにあたり、
我々の行なうすべての活動は質的に高い水準のものでなければならない。
適正な価格を維持するため、我々は常に製品原価を引き下げる努力をしなければならない。
顧客からの注文には、迅速、かつ正確に応えなければならない。
我々の取引先には、適正な利益をあげる機会を提供しなければならない。
我々の第二の責任は、
全社員 ――世界中で共に働く男性も女性も―― に対するものである。
社員一人一人は個人として尊重され、その尊厳と価値が認められなければならない。
社員は安心して仕事に従事できなければならない。
待遇は公正かつ適切でなければならず、
働く環境は清潔で、整理整頓され、かつ安全でなければならない。
社員が家族に対する責任を十分果たすことができるよう、配慮しなければならない。
社員の提案、苦情が自由にできる環境でなければならない。
能力ある人々には、雇用、能力開発および昇進の機会が平等に与えられなければならない。
我々は有能な管理者を任命しなければならない。
そして、その行動は公正、かつ道義にかなったものでなければならない。
我々の第三の責任は、
我々が生活し、働いている地域社会、
更には全世界の共同社会に対するものである。
我々は良き市民として、有益な社会事業および福祉に貢献し、
適切な租税を負担しなければならない。
我々は社会の発展、健康の増進、教育の改善に寄与する活動に参画しなければならない。
我々が使用する施設を常に良好な状態に保ち、環境と資源の保護に努めなければならない。
我々の第四の、そして最後の責任は、
会社の株主に対するものである。
事業は健全な利益を生まなければならない。
我々は新しい考えを試みなければならない。
研究開発は継続され、革新的な企画は開発され、失敗は償わなければならない。
新しい設備を購入し、新しい施設を整備し、新しい製品を市場に導入しなければならない。
逆境の時に備えて蓄積を行なわなければならない。
これらすべての原則が実行されてはじめて、
株主は正当な報酬を享受することができるものと確信する。
この企業理念、実は、毎年変更(修正)が行なわれている。
それも社員間の議論を徹底的に重ね、微細だが、少しずつ
行なわれているというのだ。
しかし、三代目社長ロバート・ウッド・ジョンソンJrが上場に際して
起草して以来、最も大事にしなければならない部分として、
「内容については、時代の変化に合わせ変更可だが、
第一~第四までの“優先順位だけは、変えてはならない!”」
としている。
つまり、J&J社が、変えてはならないモノとして、
第一に顧客
第二に従業員
第三に地域社会
第四に株主
のため存在しているというのだ。
まさに、、、
変えてはならないモノ
変えなければならないモノ
がここに謳ってある。
80年近く、増収増益のJ&J社。その価値観が絶対とは、
言い切れないが、少なからず、世界のほとんどの企業が
これほどに“理念と経営”についてのトライ&エラーを繰返している
事例を持った企業はなかろう。
そういった意味から捉えたとしても
顧客が第一の優先順位であることは揺らぐことは無い。
従業員満足の向上は、大いに結構。
会社経営の大事な要因であることは間違いない。
がしかし、“第一”ではないのだ。
従業員満足は、会社経営の目的にあらず!
現在は、未曾有の人材難。これから数年続くであろう、
団塊世代の大量退職をカバーリングするための
一時的手法として、“従業員満足”を掲げる…。
そんな企業側の思惑に乗ってはならない。
ましてやその手法自体が、“経営者第一”の経営なのではないか!?
ビジネスは何のために行なわれるのか?
誰が最も喜べば、すべての関係者が幸せに導かれる源泉となのか?
どこにフォーカスすれば、最も効率の良い結果が出やすいのか?
報酬を支払ってくれてくれるスタート地点にいるのは誰なのか?
ビジネスは、社会へのメッセージ発信です。
それを伝えたい人、伝播してもらいたい人々がいるから、
商行為によって“大事な何か”伝えようとしているのです。
理(ことわり)の念(強い思い)と書いて、理念。
理念を掲げるならば、理という自然の法則に準じた
念でなければならない。
変えようの無いモノ
少なくとも私は、そう思ってビジネスを行なっています。
そして、それが自然の法則に逆らわない、
成功するための根源だと思っています。