12月の神霊士相談会と同日に、別の会場でまつり主講習会を行いました。
遅れましたが今日はそのご報告です。
勉強したのは、「散骨と納骨の儀」です。
講師は、自分の父親を「送りの儀」で見送った経験がありました。
講師の父親が、
「お墓に入りたくない」
と言ったのがきっかけで、勉強していた「送りの儀」を実践したのです。
葬儀社も現在では、家族葬をメインに行うところも出てきて、決して珍しいものではなくなっています。
送りの儀では、故人の好きだった音楽を聞きながら、趣味で撮りためていた写真を眺め親族が故人を偲びます。まつり主主導のもと、親族が故人の清めを行いました。
「こんな形式のお葬式は初めてだけど、心がこもっていていいね」
「私の時もこんな風に送ってほしいわ」と、参列した親族が感想を伝えてくれました。
慣例的な仏式の葬儀しか知らない方が多い中、「送りの儀」が自然に故人の御霊を送る儀式として受け入れられました。
数か月後には散骨を、まつり主の知人にお願いをして行いました。
船を出して協力して下さった方は海運業を営まれていて、高倉健の映画で見た散骨に憧れ、一つ返事で引き受けて下さったのです。
外洋まででると、まつり主の御言葉の後、濃紺の海に花と遺骨を巻きます。
らせん上の波の渦に乗って海底に沈んでいく遺骨を眺めていると貝殻か珊瑚が舞っているようで、幻想的でもありました。
本来こうあるべきといった直観として、人が生き死に、自然に返る姿が、太古の昔から続いている一続きの文明の中の人々の営みとして感じられました。
これからは家族で見送る時代。
散骨が、故人にも家族にも区切りになる儀式として、死生観と価値観を変えてくれるでしょう。
お墓に入り、残された生きる人達にその後何十年に渡って負担をかけ続ける時代は、もう終わりなのかもしれません。
講師は、まつり主として父親を見送り、その知識と経験があって今こうして同じような価値観を持つ人達に求められ教えているのが、感慨深げでした。