全切開眼瞼下垂+眉下リフト 術後6ヵ月 | 医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

湘南美容クリニック新宿本院主任医長兼技術指導医Dr.村松が日々の症例や美容外科に関することを分かりやすく解説します。

今回の症例の患者様は50歳代の女性、まぶたの重さやたるみの改善、および自然な二重をご希望されました。

 

とりあえず術前の状態です。

 

病的な眼瞼下垂はありませんが複数の薄い二重ライン、強い窪み目(sunken eyes)があることから下垂傾向は進行しているのは間違いありません。(腱膜すべり、分離の状態)

 

下垂傾向の修復および二重形成のために全切開法による眼瞼下垂手術は行うとして、50歳代ということですから皮膚のたるみ除去も(二重の幅を出すため、および瞼の開きを軽くするため)必要となります。

 

 

ですがこの症例の患者様のように目を開く際に眉毛を持ち上げるクセ(反射運動なので制御できません)がある方は単純に二重の部分でたるみを取れば済むという話ではないのです。

 

これを超適当に描いたイラストで説明します。

眼瞼下垂の傾向が進行したりたるみが強くなると額にシワを寄せてまぶたの開きを補助する反射が起こります。

このため、額のシワは目立ちますが鼻根や目尻あたりの皮膚は上に持ち上げられているので目立ちにくいのです。

眼瞼下垂手術や眉下リフトなど、まぶたの開きがよくなる施術を行うとこの反射が減少することで額のシワは改善しますが、鼻根や目尻の外側のしわが目立つようになります。

手術により皺が増えるわけでなく、皮膚が本来の位置に戻ってくる、ということです。

たるみを二重切開部分でのみ除去すると目尻の外側のたるみが切除出来ません(正確にはそこまでやろうとすると傷が二重の外に大きくはみ出て非常に目立ってしまうのでやりません)。

 

開きの改善に伴い皮膚が降りてくるため、ぱっちりはするけれども目尻側がものすごく被さった状態(いわゆる三角目)がすごく目立ってしまいます。

 

やはり加齢に伴うまぶたのたるみに対しては、目尻側のたるみを中心に改善可能な眉下リフトが最も適切、ということになります。

 

よって今回は二重切開部分から下垂修復および内側(目頭側)のたるみ切除、眉下切開リフトにより外側(目尻側)のたるみ除去を行うこととしました。

 

デザインはこのようになります。

 

 

では術前→術後6ヵ月の比較です。

 

三角目にならずに目元の改善が出来ています。

 

窪み目(sunken eyes)がまだ目立つのでこちらに対しては何らか治療を追加すると更に良いでしょう。

 

 

術後経過の詳細です。

術後1ヵ月

術後3ヵ月

術後6ヵ月

術後6ヵ月閉瞼時

 

少しずつ形状や傷跡が改善していく様子も分かりやすいかと思います。

 

 

ご参考になりましたら幸いです。