暦の話5:「太陰暦」礼賛 その1 | 【はらどけい】 by SB

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日頃の「喜・怒・哀・楽」を思いつくまま,気の向くまま(写真は1月の京都:比叡山 我が家の近くから)

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今回は本命の「太陰暦」について
ここまで書いてきたのもこの「太陰暦」を語るがため

私は「太陰暦」こそあるべき「暦」ではないかとも思う。
世の中,もう一度「太陰暦」に戻るべきかも知れない。

「太陰暦」は「太陽暦」とは異なり「月」の動きが基本。
月の満ち欠けの周期は29.530589日
従って,太陰暦では小の月29日・大の月30日を作った。

太陽→月→地球と一直線に並ぶときが「新月」
この日を「朔日」として1ヶ月のスタート

太陽→地球→月と並ぶときが「満月」
この日が15日

月軌道も楕円なのでずれはあるが
8日は上弦,23日が下弦

新月から新月までを1ヶ月として
月の満ち欠けと日付を完全にシンクロさせた。

自然や宇宙のサイクルを
自分たちの生活に取り入れた素晴らしい「暦」といえる。

今でも,漁師さんや釣りの愛好家は「太陰暦」を活用する人が多い。
大潮・小潮など日付で即分かる利点がある。

LOHAS(ロハス)という言葉がある。
月刊「ソトコト」でも有名
Lifestyles Of Health And Sustainability
健康と持続可能性を大事にしたライフスタイルの略。
Sustainabilityとは持続可能ということだが
「循環」をイメージした方がいいかもしれない。
「循環」は,まさに月の満ち欠けで一回りの「太陰暦」そのもの。

「グレゴリオ暦」がまさに日付を決めるだけの
直線的で無機質な暦であるのに比べ
「太陰暦」は生命体が本来持つリズム(循環)と
見事にシンクロしている有機的な暦と言える。

自然の中で自然のリズムに合わせて暮らす。
ロハス的な生活のために作られた暦なのかも知れない。

ついでながら,
人間は月の満ち欠けを感じるリズムを持っているそうだ。

人間の体の約80%は水分。
月の満ち欠けや,潮の満ち引きといった地球の引力や、自然界のリズムの影響を受けるのは当然のことかもしれない。

妊婦は羊水というたくさんの“水”を体の中に持っている。
出産は満月の時に多いというのも月の影響なのかも知れない。
さらに,女性の「月経」の周期は基本的に約28日らしい。
月の満ち欠けとほぼ同じリズムを持っている。

ローマから始まった「グレゴリオ暦」
科学的・数学的にすぐれた方式ではあるが
私達は知らないうちに,科学的・数学的であることが
あたかも正義のように思う袋小路に入っていたのかも知れない。

う~ん。今回はやや学者ぶった話になってしまったなあ・・・(反省)