イナズマイレブンX第2話《優一のサッカー》 | star line ~スターライン~

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《イタリアFIFAワールドカップ アジア2次予選Cグループ1回戦。日本対中国の第1節……今、キックオフです!!》


ーピィィィィ!!!


ついに試合開始のホイッスルが鳴り響いた。飛翔は忠明にパスし、すぐにキャプテンの俊仁にボールを託した。


「さぁ!行くぞ!!」


中国代表が攻め出す。日本代表のフォワード3人、豪炎寺と日向と優一はボールを無視して前線へ上がり出す。ドリブルで上がる俊仁にプレスを掛けに行く翼。


「ハオ!!」


俊仁はすぐにバックパスしてリ・ハオにボールを預ける。翼がボールを見てる間に俊仁は翼を抜き去り、その瞬間を見計らいハオが俊仁にパスを出す。

翼はすぐに体を反転し、そのパスボールを空中でカットする。そのこぼれ球を冴が拾った。



「なにぃっ!?」


驚きを隠せない俊仁とハオ。完全に翼を抜いたと思っていた2人は反応できない。冴はドリブルで上がり出す。並走する翼に声をかける。



「やるじゃないか翼さん」



「へへ!さぁみんな上がれー!!」


日本代表の攻撃が始まる。止めに来るディフェンシブミッドフィルダーもディフェンダーも翼と冴の2人にことごとく交わされている。




「くそ……。なんてドリブルとパス精度だ」


中国代表副キャプテンでミッドフィルダーのチャウ・シンが日本のパスワークに感心していた。ゴール前に来た翼はシュート体勢に入る。



「させるかよ!!」


翼の前に現れたのはカウンターシュートが得意なディフェンダー肖 俊光(しょう しゅんこう)だ。フォワード陣はマークされていてパスが出せない。それに気づいた翼はシュートのふりして横にいた天馬へパスをする。


「パスだとぉ!?」



「決める!!うおおお!!極!嵐・竜巻・ハリケーン!!!」


凄まじい風を巻き起こしシュートが守護神クン・フーチェに迫った。だが、シュートコースにはハオがいた。天馬へのパスを読んでいたのだ。


「はぁぁあ!!!!スカイドロップ!!!」


天馬のシュートを空中からの落下速度を利用したオーバーヘッドキックで蹴り返す。ボールはシンへ渡った。目の前には鬼道だ。



「行かせん!!」


だが、俊仁とのワンツーパスで鬼道を交わす。今度は中国代表の華麗なパス回しを披露する。日本代表の一瞬空いたスペースを狙い、俊仁がスルーパスを出す。ボールはフォワードの忠明に渡った。



「ナイスパス。行け飛翔!!」




「おう!!」


エースストライカー飛翔がシュート体勢に入る。大地と空を裂くような凄まじいパワーを乗せたシュートが炸裂した。


「超!天空地裂(てんくうちれつ)!!!」


「円堂さん!!」


ディフェンダーの太田翔が叫ぶ。円堂は余裕の笑みだ。シュートコースに壁山が入る。


「マウンテンウォール!!!」


巨大な山で壁を作りシュートの威力を落とす。円堂は上半身を捻り、シュートに対して背中を向けながら右手に稲妻の力を込める。体を正面に向け、シュートを睨みつけながら力を蓄えた右手を地面に向けると右手から光り輝く翼が出現した。



「真!ゴッドハンドV!!」


その右手を一旦引いてから再び突き出す。黄色い巨大な右手のエフェクトが出現してシュートを押さえ込んだ。


《止めたぁぁーっ!!円堂守、見事に中国のエースストライカー飛翔のシュートを止めましたぁ!!》


「マジかよ……」


言葉を失っている中国代表。シュートを止めた円堂はニカッと笑った。


「よぉぉーし!!反撃行くぞーっ!!」


円堂の投げたボールは天馬の元へ。しかし、中国代表のミッドフィルダーがボールを奪おうとしていた。
だが、そうはさせない。なんと空中で翔がそれをヘディングで急降下させた。ボールは松山光へ。


「いいぞ翔!!」



「お願いします!」


「任せろ!!」


ドリブルで上がる松山の行く手をシンが遮る為にタックルをする。松山はボールを奪わせない激しい競り合いだ。


「俺を舐めるな!!」


チーム随一のボールキープ力を持つ松山からボールが奪えない。ボールに触れそうで触れられない。


「くっ!!」


松山から壁山、壁山から天馬へパスを繋ぐ事が出来た。日本の攻撃を止められなかったシンは悔しそうだ。天馬の前に俊仁が立ちはだかる。天馬は更に加速する。



「極!風穴ドライブ!!」


両手を振り、目の前に竜巻を発生させ、その風穴を颯爽と走り抜けて俊仁を突破した。すぐに中央にいる翼へパスを出す。翼は逆サイドに向かって走り出す。中国代表の選手が必死に追いかけるが追いつけない。


「深追いするな!!ゴール前固めろ!!」


俊仁が指示を出す。翼はセンタリングを上げた。だが、エースストライカー豪炎寺と日向には厳しいマークが付いている。


ボールは日向の元へ行くが日向はそれをスルー。豪炎寺の元へと転がる。ディフェンス陣が豪炎寺にシュートを打たせまいと固まっている。

「馬鹿だな」

そう呟いたのは翼のプレイを理解していた冴だ。豪炎寺は翼からのパスをワンタッチで更に逆サイドへ蹴り出した。その先にいたのは優一だ。



「ありがとうございます。豪炎寺さん。」


警戒は豪炎寺と日向に向いていた。翼はそれを利用したのだ。優一はフリーでシュート体勢へ入る。


怪我でサッカーが出来なかった優一。並々ならぬ努力をし、今までと変わらないくらい動けるようになり、眠っていたサッカーの才能が開花し、イタリアで海外留学をしていた。
チームメイトのファン・ディアスのパートナーとして活躍し続け結果を残し、ついに夢にまで見たワールドカップ日本代表に選ばれたのだ。


(俺がここにいるのは家族や仲間のおかげだ。怪我でサッカーが出来なかった時にみんなが支えてくれた。俺は……俺達は世界一になる。)


「いけ!!兄さん!!」


弟の京介がベンチから声援を送る。誰よりも近くで優一を見てきた。支えてきた。楽しそうにサッカーをする優一の姿を間近で見れるのは感慨深いものがある。


「はぁぁぁーっ!!」

「ソードブレイク!!」


優一の蹴り出したシュートは紫色のオーラを帯びた剣へと姿を変え、フーチェの待ち構えるゴールに向かって突き進む。



「絶!龍神鉄扇(りゅうじんてっせん)!!」


両手に鉄扇を出現させ炎をまとった。シュートに対して鉄扇で右手と左手で1度ずつ斬るようにシュートを止めに行き、最後は挟むように押さえ込んだ。だが、優一のソードブレイクはフーチェを吹き飛ばした。


「うわぁ!!」




唸りを上げながらゴールに突き刺さる。シュートを決めた優一は両手でガッツポーズする。天馬が飛びつく。


「やったね優一さん!!」


《決まったぁぁぁーっ!!!剣城優一の日本代表初選出初得点で日本先制ーっ!!!ワールドカップ日本初ゴールは剣城優一だーっ!!!》



ーワァァァ!!!!


盛り上がるスタジアム。サポーターは歓喜の声を上げていた。決めた優一はアシストしてくれた豪炎寺とハイタッチする。


「ナイスパスです。豪炎寺さん!」



「あぁ。お前なら決めてくれると信じてたよ」


憧れだった豪炎寺にアシストしてもらい、さらに信用してもらっていた。あまりの嬉しさに優一は自然と笑顔になる。


「あ、ありがとうございます!!!」


「やったな兄さん……」


ベンチの京介の目にも涙が溜まっていた。潔達も呆気に取られている。監督のロベルト本郷はサングラスをクイッと上げて優一について語り出す。



「優一は紛うことなき天才だ。シュートの威力にキック精度、ドリブルテクニックにパスの技術……怪我でプレイ出来なかったとは思えないプレイヤーだ。大きな挫折を味わったからこそここまで強くなれたんだろう。身体的にも精神的にも類を見ない強さを持っている。」


日本フットボール連合の新入社員で、ブルーロックプロジェクトを築いたキットマネージャーのアンリがロベルトの言葉に続いて語る。


「調べたんですが、彼は1度、過去を変えられ、けがをしない世界線を生きたことがあるみたいです。サッカーを消そうとする未来から来た組織が、京介君にサッカーを辞めさせる為に優一君の怪我をさせない未来を作った。
2人がサッカーを続けていく中で、サッカーの海外留学の話が来る。だけど、予算的に1人しか出せず、優一君を海外に行かせるために、京介君は自らサッカーを辞めて優一君に行かせたんです」


「そ、そんな事が……?でも、兄さんはそんなこと一言も……」


パラレルワールドの話を優一は京介にしていなかった。アンリは話を続けた。



「言う必要がないのよ。優一君は決めたの。過去に戻り、歴史を正そうと。優一君は自らがサッカー出来なくなる未来を選んだ。弟にサッカーを返すためにね。そして彼はこう言ったわ。『それが本当の運命なら、受け入れた上で乗り越えてみせる』とね。そして彼はその現実を乗り越えた。日本代表にも選ばれた。こんなストライカー、優一君以外いないでしょ?」


それを聞いていた京介は涙する。優一は弟とサッカーする為に強くなったのだ。自分達とは正反対の兄弟愛を聞いた凛はピッチでプレイする冴を見つめていた。















to be continued


次回予告
猛攻を仕掛ける日本代表は追加点を狙う。豪炎寺と日向のシュートが炸裂する。
後半はついにブルーロック組が動き出す。果たして潔達はどんなサッカーをするのか。

第3話
ブルーロックの男達


これが超次元サッカーだ!!!




~あとがき~
どーも沙優羽です!
2話目を更新!毎月1話更新したいですね(願望)
今回は優一にスポットを当てて書きました!
イナイレシリーズでも屈指の俺の推しです笑

幼い頃、足を怪我してサッカーできなくなったけど、未来が変わって、サッカーできるようになったのに、弟の為に自分の足が悪くなる本物の未来を選ぶとか凄すぎん?
かっこよすぎて惚れてまうやろぉぉぉ!!!

だから、これでもかってくらい活躍させたいと思います笑
ひいきしてる?知らんそんなの←

次は潔達ブルーロック組にスポットを当てます!
次の話の最初にU-20W杯の話を書きますけど、ブルーロック本編の話ではなく俺の作った話ですので勘違いしないようお願いします!

ではアデュー☆