妊娠中、色んなことが不安で不安で仕方がなかったので、出産にまつわる色んな体験レポやエッセイ漫画を読みまして。


できる限り来るべき出産の日の予習をしておこうと思った私ですが…。




妊娠中も、出産後も、「ああ…この出産漫画が私の心境に一番近かったな。そばで一緒に戦って、励ましてくれている気持ちになったな…」と思ったのが、はるな檸檬先生の『れもん、うむもん! ―そして、ママになるー』(新潮社)という漫画でした。




 

 




「出産は、しんどかったです。」というまえがきで始まる本書。



もうその一言に共感しかなかったのですが😭😭😭




本書は、妊娠や出産の素晴らしさだけでなく、リアルな気持ちや体験談がたくさん描かれていて、それでいて温かな漫画でした。






妊娠、出産は、喜びや感動だけでは全然ないんですよね。


それに、お腹に子が宿っても、いきなり母になる準備ができるわけではない。





まず妊娠編では、そんな気持ちの戸惑いや、常に気持ち悪いのに吐けなかった食べづわりの辛さ、締切のある仕事を抱えながら妊婦をする過酷さ、妊娠糖尿病の体験談などが描かれていました。





私、はるな檸檬先生の作品が特に好きなもので、自分がまさか妊娠するとは思っていなかった若い頃にこの漫画を読んでいたのですが、実際妊婦になってから読み直してみると…。





「ほんまや…ほんまや…。身体すっごい疲れやすくなるし、頻尿になるし、吐きたいのに吐けなくて涙が止まらない…。本も読みたいのに文字が全く頭に入ってこない…書評書かなあかんのに…(仕事)」



と、共感の連続でした。





しかも、私もつわりが少し治まると同時に、妊娠糖尿病にかかったので、毎日、指に針を刺しまして、血糖測定器で血糖を測り、定期的に栄養士さんに食事指導を受けていたので、「ああ、妊婦に安定期なんてものは本当はずっとないのだな…」と感じたことを思い出しました。





ハイビスカスひまわりチューリップガーベラ



出産編、育児編も、共感が止まらなかったです。




出産直後のボロボロの身体。それなのに、産んですぐ2-3時間起きの授乳が始まる。休む暇なんてない。




色んな助産師さんがいるので、ホルモンバランスが狂いまくっている入院中は特に、助産師さんのちょっとした言葉で、めちゃくちゃ傷ついてしまう。




とにかく寝れない。赤ちゃんが泣きわめいても、泣き止ませ方がわからない。母乳が中々出ない悩み…。




しつこいですが、ああ~もう、、、わかりすぎる、、、と切実に思いました。共感することで救われるんです。




また、未婚の女の子に「子供産んどいた方がいいですよねー」と言われると、簡単に「産んだらいいよ」とは言えないと書かれていたことも、思わず頷いてしまいました。


出産は確かにとても素晴らしいのだけど、感動も驚きもたくさんあるのだけど…。





「産んでからのこと、痛みと疲労と絶望と孤独でグチャグチャだったあの数日のことを思い出すと、未だに涙が出る…」とあったところで、もう私は爆泣きしてしまいました。






妊娠中も、産後も、育児中も、とにかく孤独で。


そりゃ、夫は助けてくれたし、入院中は助産師さんもいたんだけど、あちこちの痛みと戸惑いと気持ち悪さと、連日の睡眠不足と、未知のもの(赤子)をとにかく死なせてはいけないという気の張りと、人にはとても見せられない歪な身体の変化と、ホルモンバランスが狂いまくり、穏やかな自分ではいられず、ちょっとしたことで噛みつきたくなる感情の揺れと…。





本当に本当にしんどくて(産後7ヶ月の今もえーん)、でも赤子は可愛くて、頑張らないといけなくて。





そんな気持ちに「わかるよ。しんどいよね。私もそうだった」と言ってくれることが、どれほど救いになることか…えーんえーんえーんえーんえーん と思いました。





ほんと、お守りのような…温かくて、繊細な感情を拾った漫画だと思います。



妊娠中や育児中の方、それ以外の人も、たくさんの方におすすめです。








さゆ