こんにちは。さゆです。

 

 

最近は、スタバを購入してポケモンGOのレイドバトルに向かうのが大好きです……(笑)ラブラブ

 

すごく至福のひととき!!

 

昨日は、5億年ぶりに美容院に行きまして、髪の毛をバッサリ30センチくらい切りました。

 

無事、貞子から、ちびまる子ちゃんに無理矢理パーマをかけたみたいな可愛い髪形になりました。

 

美容院、苦手で中々行かず、普通に半年くらいは行かず、行くにしても20歳の頃から通い続けているところへ行っているのですが(笑)。

 

「「昔から家から出たくない。家でできる仕事がしたい」って言ってたもんね……。心配してたけど本当に良かった……」

 

って美容師さんに言われたのが印象的です笑い泣き笑い泣き

 

 

そして本日は、ミュージシャンの「HOME MADE 家族」のメンバー・KUROさんの書いた小説『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』

 

の感想を、シミルボンで書いたものですが、転載したいと思います。

 

「マイケルって誰や……」状態の無知な私が読んでもすごく楽しめたので、良かったら死ぬほど長文ですが、ぜひぜひ読んでいってくださいね。

 

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ハイビスカスチューリップひまわりガーベラ

 

ストイックすぎて真似できない……!

 

ハイビスカスチューリップひまわりガーベラ

 

■承認欲求を越えた何か

 

一日中ネットに張り付いていると、炎上商法で盛り上がっている人や、キラキラアカウントでマウントをとっている人ばっかり目立っているように見えて、げんなりすることってないでしょうか……?
 

そんなネットばっかり見てんなよ、って話なのですが、病んだ時には手元にあるスマホでろくな情報しか見ていない私です……。
 

しかし、世の中全体を見渡してみると、全然そうじゃない。
 

最近、その事実にようやく気づき始めました。

 

 

 

例えば、早朝、会社に行く前に必ず公園のゴミ拾いをしているサラリーマン。
 

犬や猫の保護活動をしている女性。
 

早朝にも関わらず、飼い犬の具合が悪くなった時、診察をしてくれた獣医さん。
 

お医者さん、看護師さん、保育士さんに介護士さん……。
 

 

皆、別に誰かに「いいね」をもらうためではなく、時には仕事の範疇を超えた優しさや親切心や慈悲の心で、誰かと向き合っています。

 

 

承認欲求を超えた「何か」はこの世にちゃんと存在していて、人々の心の隙間を埋めたり、癒やしたりする……。
 

目立たない活動かもしれませんが、その行いはとても尊く、心を満たすものだと思いました。

 

シミルボンでも活躍されているHOME MADE 家族のKUROさんことサミュエル・サトシ先生の初のオリジナル小説『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』の主人公も、そんな人間だったように思います。

 

 

 

 

■いつも一人だったけど…

 

本書は、マイケル・ジャクソンの「インパーソネーター」として活躍する尾藤一斗(びとう・いっと)という男性の物語です。
 

「インパーソネーター」というのは「究極のモノマネ」。
 

ですが、単に真似るだけでなく、対象を深く追求し、その思想や哲学、さらに性格までも理解しようと勤めることでファンに本物だと思わせるほどの錯覚と一体化を目指す……といった役割を担っているそうです。

 

 

 

不勉強で申し訳ないのですが、私は「マイケル・ジャクソン……? はて……。スリラーの……?」と、知識がない状態で読み始めたうえに、「ダンスとかしてる人ってパリピっぽくて苦手」という偏見に満ちあふれた理由で読み進められるか不安だったのですが、それは全くの杞憂でした。

 

 

なぜなら、本書は、強くも弱くもある、一人の男性の成長物語でもあったから。
 

そして、ドキュメンタリーと小説がブレンドされている「ドキュノベル」というジャンルで、恐らく事実も多く記載されているであろうことが予想できたから。
 

 

また、マイケルの一体どこが素晴らしいのか、どれほど人を楽しませる事を徹底してやっていたかを、読者を置き去りにすることなく伝えてくれたからです。

 

 

 

物語は、NHKのたった15秒の『デンジャラス』のワールドツアーのCMで心を鷲掴みにされ、人生が激変した一斗の青春時代が最初に描かれています。
 

それまでは家でも学校でもいつも一人で、空想を趣味にしていた一斗が、マイケルに出会い、彼と同じ景色が見たくてダンスをはじめる。
 

学校の視聴覚室で一人踊り狂い、マイケルの話をする相手が欲しくて、ダンスパーティーにも参加するように。
 

たくさんの仲間と知り合い、『MJ-Soul』というグループを結成。恋人もできて、ついには、激戦のオーディションを勝ち抜き、マイケル・ジャクソン本人の前でパフォーマンスを披露し「Excellent」と言われるまでの過程が鮮やかに描かれます。

 

 

 

 

■評価されるのはいつもマイケル

 

なんかこうやってまとめるとやはり「リア充やん」と思ってしまうのですが……。
 

全然そうではなくて、マイケルに敬意を払いながら、一ミリ単位まで自分を寄せていくストイックさの極みのような一斗にも関わらず、評価はいつも、「自分」ではなく「マイケル」にありました。
 

 

彼が活躍すればするほど「マイケルすげえ」の声が大きくなり、ついには

『君のファンじゃないよ。マイケルのファンだよ』

 

とまで言われてしまう。
 

 

世界一マイケルに似ていても、自分を殺して殺して、どれだけ時間と労力をかけても「偽者」であるという烙印に、一斗は葛藤し、身体を壊すほど悩み続けることになるのです……。

 

また、一斗は、仲間との間でも苦悶します。
 

 

『MJ-Soul』が世間に知られるほどに、グループはどうしたって商業的になっていく。

 

表現者としてマイケルのパフォーマンスをストイックに追及するメンバーもいれば、そこに経営者としてチームを軌道に乗せようとするメンバーもおり、板ばさみになり、困惑します。

 

ですが、いつだって、自分自身を見せるのではなく、アイデンティティすらも消し去り、マイケルに近づく努力をずっとし続け、観客の心を動かす……。
 

ある意味修行僧のような一斗に魅了されていた仲間やファンが多いのもまた事実です。
 

 

 

彼のことを「個性がないのが個性」という人がいたけれど、本当にその通りでした。
 

人間は大なり小なり自己主張をしたい生き物だと思うのですが、その欲求を滅却し「自分の存在を消して誰かを楽しませたい」という行動は、中々できることではないと思いました。

 

 

 

 

読んでいる間、私はず~っとワクワクしていました。
 

舞台裏からステージ上の出来事まで、実際にその場にいるわけではないのに、臨場感あふれる描写に、ぐいぐい吸い込まれる。
 

「開演5分前」「開演3分前」「開演1分前」の単語に、一緒に胸を高鳴らせ、豪華な舞台セットの中で一斗と共にメンバーが踊る様子がちゃんと頭に浮かびました。
 

 

「文章の限界はないんだな」とその文才にちょっとどころかかなり悔しくなったし(笑)、自分の好きなものの魅力を他者に存分に伝えられる技量にも嫉妬感動しました。

 

 

また、同じくマイケルのインパーソネーターとして活躍する大阪出身のライバル「デンジャラス・じゅん」の存在もすごく面白かったし(彼は何とマイケル似に整形もしており、歌まで歌う)、一斗の恋人・タチアナも気になる存在でした。

 

 

(ああ、タチアナのそれからや、ダンスチームの女子メンバーの心情も、もっと知りたかったなあ)

 

悲哀だけではなく、「プロ意識」とは何かということや、恋に仲間、己の生き方についても考えさせられる物語です。
 

映画を観ているみたいで、夢のように面白かったです。

 

 

 

 

さゆ