こんにちは。さゆです。

 

(↑最近は寝てばかりいるらしいナナ、もうすぐ14歳。あ~心配。9月に会いに行くよ~。)

 

昨日は、珍しく明け方4時まで原稿をやっておりました。しかしその後爆睡して、昼の12時に目覚めたので、意味がないなと絶望していたところです……えーん笑い泣き

 

そう。原稿。書いたのです。やっと。

 

書評サイト・シミルボンで書いて参りました。

 

今回は、作家の角田光代さんの愛猫・トトちゃんについて書かれているエッセイ『今日も一日きみを見てた』(角川文庫)のコラムを書きました。

 

愛するペットと暮らす方、暮らしたことがある方、ぜひ読んでほしいです照れ

 

 

 

(↑Twitterクリックでシミルボンでのコラムが読めます。よかったら遊びに来てくださいねニコ

 

 

 

 

 

きみがいるだけで幸せ。

 

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動物の本を読んでいて、泣かずにすんだことがありません。

 

動物の本って、人間との別れのシーンの登場率が高いように思うのですが、そんなシーンに遭遇すると、ティッシュ一箱使うレベルの涙がバーッとあふれ出てしまいます。
 

そんな風に書くと、何だかとても偽善者みたいだけれど、私は人が死ぬ本は苦手です。
 

特にその死に意味を見出だせないものは大嫌いで「何で主人公殺した? あれでしょ。物語を盛り上げるためでしょ! ここで死ねば泣くと思ってるんでしょ。読者をそうやすやすと舐めるでない!!」と、意味不明なキレ方をしてしまいます……。

 

ついでに青春小説も苦手で、キラキラした学生たちを心の中で、お腹の底からなじっています。(最悪)
 

 

ですが、それが犬や猫だと、穏やかに日向ぼっこをしているシーンですらウルッとくるのです。
 

それはたぶん、私が実家で犬と暮らしていたから。

 

16歳から家を出る26歳までの10年間、一緒に暮らしていた愛犬2匹に、数え切れないくらい心温まる思い出をもらったからだと思います。

 

だから、今回ご紹介したい本も、目に涙を浮かべながら読んでしまいました。

 

 

 

 

『今日も一日きみを見てた』(角川文庫)は、作家の角田光代さんの愛猫・アメリカン・ショートヘアのトトちゃんについて書かれたエッセイです。
 

漫画家の西原理恵子さんの家で産まれた子猫を生後三カ月でもらい受け、初めて猫と暮らすという著者が、トトちゃんに時に驚かされながらも、メロメロに溺愛し、大切に育てている様子が細やかな描写から伝わってきます。
 

 

もうね、トトちゃん超可愛いのです。掲載されている写真からも十分に可愛さは伝わってきますが、行動も可愛い。
 

 

ごはんをすでに角田さんにもらっているのに、旦那さんが帰ってきたら「うにゃーん」とまとわりつき、もらっていないフリをする芸達者な一面、猫雑誌の取材が来ると、カメラレンズの向くほうにさりげなく移動して行くこと、とても寂しがりやな所、運動音痴な所……。
 

そんな行動の一つ一つが、著者の愛にあふれたまなざしで、丁寧に、大切に描かれているので、トトちゃんがますます可愛く思えてきます。

 

 

 

著者は、一匹の猫と暮らすことで、新たな世界の扉を開き、こんなにも豊饒(ほうじょう)なのかと驚いたのだと語ります。
 

トトちゃんは「猫」の一般的なイメージに反して、気まぐれでもわがままでもなく、要求ばかりすることもなく、つーんとしていない。

 

そればかりか、たいていのことは受け入れ、許すのだそう。(すごい。うちの愛犬は誰に似たのか、気まぐれでわがままで要求が多くつーんとしています。笑)
 

 

著者はそんなトトちゃんの寝息に至福を覚え、もふらせてくれることに心から感謝し、猫が夢の中で怖い目に遭いませんようにと祈る。

 

そしてそんな自分の新たな一面にも驚きを覚えます。
 

トトちゃんが何か怖い思いをするたび、引っ込み思案になるところは自分に似ていることにも気づきます。
 

そうしていつの間にか、聞きなれない言葉だったはずの、猫用語の「ふみふみ」や「カリカリ」を自然に使いこなし、携帯カメラには、トトちゃんの腹天の写真がたくさん!(笑)
 

猫がやってくる前とやってきた後では、見る世界が変わったと語るほどです。

 

 

☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

 

……でもそれってたぶん、愛するペットと暮らしたことがある人なら皆、その気持ちが痛いほどわかるのではないかと思いました。
 

私も犬と暮らして、世界が彩り豊かなものに変わったからです。
 

はじめて家に犬が来た時、私は学校を休みがちの引きこもり気味な女子高生で「この世は敵ばかり。消えたい」と感じることがよくありました。ですが、毎日犬と一緒に散歩に行くことで、その考えは徐々に消えていきました。
 

一緒に暮らしていた柴犬は、飼い主にはワガママで、他人様には笑顔で尻尾をふる子だったし、決して「忠実」とは言えない女の子だったのですが(笑)。

 

↓↓(この子。笑 若かりし頃のいたずら娘・ナナ。)

 

 


 

犬なのにボール遊びには「しぶしぶ付き合ってあげてる感」が半端なく、ボールを投げたら一度は取りに行くものの、二度目は「次はあなたが取りに行く番」とばかりに動かなくなって、私は、自分で投げたボールを自分で走って取りに行っていたけれど(笑)。
 

雪の日に散歩に行って私が坂道で滑って転んだら、半笑いしてたけど(笑)。
 

 

でも愛犬は、いてくれるだけで十分に嬉しくて、優しい気持ちになれて、可愛くてたまらなくて、クリクリした目とタヌキのような尻尾が私は大好きで、毎日、喉元まで温かい気持ちがあふれてきたことを思い出しました。
 

 

今も京都の実家で暮らす愛犬は、シニアの年齢に突入し、目も悪くなり、一日のほとんどを寝てすごしていますが、それでも生きてこの世にいてくれることがどれだけ励みになっているかわかりません。

 

(新幹線の距離をしょっちゅう会いに帰る私……。)

 

 

 

ああ、角田さんとトトちゃんのエッセイを、ついつい実家で暮らす愛犬と重ねて読んでしまいました。
 

守りたい・愛しい存在がいるということは、不安も増えるし、いつかさよならが来ることを考えると、悲しくて寂しくてたまらないのだけれど、でも、でも。
 

小さいのに存在感抜群で、触れると温かくて、目が合うと自然と笑みがこぼれてしまうあなたたちが、この世界にいてくれること、有難いなあ、愛しいなあ……と思いながら読み進めました。
 

ついでに最後に収録されているボーナストラック短篇小説で、涙は本格的に止まらなくなったのでした。心温まる素敵なエッセイです。

 

 

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とても素敵なエッセイでした。ついつい、実家の愛犬2匹を心の中に思い浮かべて読んでしまいました。

 

この世に猫や犬や動物たちが存在していて、本当に良かったと思います。

 

世界が少し、優しく見えますもんね。

 

(↑もう一匹の愛犬・ロンくん。とても優しい。ナナの100倍は優しい。笑)

 

私も夫も犬好きなので、近い将来東京を離れたら、犬と暮らそうと言っています(≧∇≦)

 

とても楽しみです。それまでに体力をつけなければ。

 

そういえば、学生の時、夫とはじめて会ったとき、まず「犬は好き?」と聞いたような記憶があります(笑)。

 

 

優しい気持ちになれる一冊でした。

 

 

ではでは、本日は金曜日。皆様一週間お疲れ様でした。

 

土日もお仕事の方、お疲れ様です。

 

 

またすぐ本の感想を書きに参りますね。

 

 

さゆ