人生のレールを外れた生々しい6人の女性たち
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愛を振り込む (幻冬舎文庫)
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頑張っても頑張ってもその先に光が見えず、苦しくてたまらない状況に陥ったとき、皆さんは一体どうしていますか?
人生には想像の範疇を超えた、様々な種類の苦しみが用意されていて、それを乗り越えるのにずいぶん時間がかかることがあるし、レールから脱線したまま、そのまま戻ってこられないのでは……? と、本気で心配してしまうことだってありますよね。
夢を見て都会に上京してきたものの、結果が出ず地元に帰る・恋愛も仕事もバリバリ頑張りたいけれど、容姿や病気のため難しい・過去に負った心の傷跡が、何をするにも邪魔をする――。
平平凡凡な私は、そのような困難に陥った時、通常モードに戻るまで、本当に時間がかかります。
蛭田亜紗子作の『愛を振り込む』(幻冬舎文庫)は、様々な事情で追い詰められ、苦しい状況でもがく6人の女性たちの痛々しい姿が描かれている短編集です。
6つの短編が収録されていますが、登場する女性の職業や置かれている状況は全てバラバラ。そしてそのうちの何人かは「絶対に友達になりたくない」と思うほど、性格も悪い(笑)。
彼女たちはみな、何の因果か「朱い指紋が付いている千円札」を手にしたとたん、不運に見舞われていました。
例えば第一話の「となりの芝生はピンク」で登場するのは、他人のものばかり欲しがる女・みず帆。
みず帆は、評価基準をつねに外に求める人間で、会社の後輩が使っている文房具やコートを真似するだけでなく、「パーフェクトな女性に選ばれ、愛されているひと」がほしいと、税理士として働き、二児の母親でもある美人な奥さんを持つ、会社に出向して来ている社員と不倫を始めます。
ひとのものばかり欲しがる女……。出来ることならお目にかかりたくないし、友達にもなりたくないですよね。
私は前半部分を読んでいる時、みず帆が一体どうやって、自分が本当に望んでいるものを、自らの意志で手にいれる所までたどり着くのか、正直想像がつきませんでした。
結局みず帆は、紆余曲折あって、不倫相手の妻と会うことになり、返り討ちにあいます。
……妻のある行動がきっかけで、みず帆にもほんの少し光が差すのですが、みず帆だけでなく、自分自身の行動も振り返りたくなるめまいがするようなラストに、私は絶句してしまいました。
本書では他にも、
・スーパーの「お客様の声」に夢中な主婦
・北欧カフェをオープンしたものの、三年持たずに廃業した「カフェ女」
・タレントとして旬がすぎ、養ってもらっていたIT社長にも捨てられ、実家に帰ったアラサー女性
・会社の備品をネットオークションで売り、自らの体も見ず知らずの男たちに売り続けているOL
が登場します。
また、表題作でもある第六話の「愛を振り込む」の主人公・工場で働く37歳の穂乃花は特に衝撃的な女性でした。
彼女は、出張ホストにだまされ、前に務めていた会社で800万着服した過去があります。
現在は、顔を見たことのない、生活に困窮しているらしい男性のブログを見ることが生きがいになっていて、更新されるたびに彼の口座に1000円ずつ振り込む日常を送っています。
奇妙な繋がりを持つ二人ですが「お金」が介入することで、救われる関係性も確実にあるのだと、視界が開けるような、少しだけ温かなラストが胸に響きました。
本書に登場するのは、人生のレールを大きく外れてしまった女性たちばかりです。
彼女たちの多くは、越えてはいけない線を越えてしまっている。
ですが、そんな姿を笑うことはできませんでした。私もまた、同じように弱くて、狡猾で、人に流されてしまう……褒められた人間ではないからです。
でも、何度痛い目にあっても、望んでいた未来にはかすりもしなくても、立ち向かい、必ず小さな希望を見つけて戻ってくる力強い生命力は、強烈に印象に残りました。立ち上がる勇気をもらいました。
恋にも人生にも、究極に追い詰められた6人の女性たちが、一体どんな風に奮い立つのか。
時にとても官能的な、生々しい、ありのままの女性たちの姿に、心が震えてしょうがなかったです。
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ここから日常日記です。笑
やっと週末ですねえ
皆様今週もお疲れ様でした。土日もお仕事の方、暑い中本当にお疲れ様です。
私は来週以降、久々に出かける予定がポツポツあるので、非常にドキドキしております。久々に飛行機に乗ります。
普段ほとんど夫としかしゃべらない。
寂しい主婦だよ。ついでに常識もないよ……。大変やばいです(笑)。
また徐々に、外に出て書く仕事も増やして行きたいと思っているので、しつこくしつこくあきらめずに頑張ります。
とてもとても楽しい記事をお仕事でもたくさん書きたいです。
そして来週30歳のお誕生日なので、来週お祝いコメントを待っています(笑)。
皆さんかわいそうな、じゃない甘えたままの30歳になるさゆちゃんをどうか祝ってください( ̄ー ̄;
調子乗ってごめんなさい。
では、またすぐ更新しますね。
さゆ