こんにちは。さゆです。
また少しお久しぶりになってしまいました。
私は相変わらず実家でネガティブなことを言いまくっています。
京都に来てから一日も欠かさず、毎朝5時起きでナナ姫のお散歩に行っております。
非常に健康的でございます。
ナナはとても可愛いのですが、如何せん、夜型人間なもので、朝が…朝が……結構辛い(笑)。
これを毎朝一人で、ワンコ2匹の散歩へ行っているさゆちゃん母(アラフィフ)の体力・精神力は素晴らしいなと思うわけです。
いつもありがとうございます。こっちにいる間はサボらず散歩に行きますね。
責任感ある本当の意味で優しい大人になれるよう頑張りたいですが、中々難しいところです……!!!
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さてさて。先日またまた、書評サイト・シミルボンで、ブックレビューを書いてまいりました。
今回は、都会育ちお嬢様と地方出身OLの男性一人を巡る恋愛・結婚・悲喜こもごもが描かれている『あのこは貴族』(山内マリコ/集英社)を読みました。
さゆ@sayulog【レビューを書きました】自分で立たなきゃダメなのだ。 https://t.co/XOFaFUKCZS #シミルボン 山内マリコ作『あのこは貴族』のレビューを書きました。結婚でステージクリア、オールオッケーには中々ならない苦しみというか、葛藤が身にしみました…😂😂
2017年05月29日 01:58
(twitterクリックでシミルボンでの感想が読めます。よかったら遊びに来てくださいね)
「結婚したら幸せになれる。少なくとも人生の越えなきゃいけないステージは一つクリアできるような気がする」。
20代も半ばを過ぎた頃、周囲の友人たちが一人、また一人と結婚して行くのを目の当たりにし、両親からも結婚をせっつかれていた私は、不安と焦りで上のようなことを考えていました。
誰からも選ばれない私は劣等生で、おまけに仕事もろくにできず、正社員になったことのない自分は、生きている価値がないのではないかと思っていました。
それから色々あって、28歳で結婚してみてわかったことがあります。
それは、結婚はあくまで日常の延長線であり、人生のゴールでも何でもないこと。
結婚が自分のコンプレックスを解消してくれるわけでもないし、夫ではなく、自分自身と対峙して向き合わないといけない課題は、結婚した後も、もれなくず〜っとついて回るのだということです。
専業主婦だとか、共働きだとか、家計のことは夫婦二人で話し合って決めれば良いけれど、私自身が納得できる生き方をするためには、これまで以上に様々なことに目を配りつつ、努力しなければならないのだなあと痛感しました。
山内マリコ作の『あのこは貴族』(集英社)は、そんな「結婚」に対する複雑な女性の心理が、胸が痛くなるほど見事に描かれています。
あのこは貴族
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登場するのは、まるで正反対の育ち方をしたアラサー女性が二人。
東京で生まれ育った、お嬢様育ちの華子と、地方で生まれ育ち、大学入学をきっかけに上京したものの、金銭的な事情で、二年の途中でドロップアウトし、その後は25歳まで夜の世界で野性的に生き抜いた経験のある美紀です。
この二人が、同じ男をきっかけに、大都会東京で巡り会うとこになるのですねーー。
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まず第一章で、お嬢様育ちの華子の婚活話が描かれます。
東京生まれの華子は、三姉妹の末っ子。整形外科医の父と専業主婦の母に、何不自由なく育てられましたが、27歳になる直前で、結婚も考えていた恋人に振られてしまいます。
結婚願望は強いのに、男性の前で自分を出せず、言いたいことを我慢してしまう彼女は「面白みのない女」だと思われ、交際が長く続かないのが悩みでした。
名門私立女子校出身の同級生が次々と結婚していく中、焦る彼女は必死に婚活をして、お見合いを重ねます。
その結果、幼稚舎から慶応に通っていたという、ハンサムで何事もスマートにこなす弁護士・青木幸一郎と出会い、早々に婚約することになるのです……!
一方、第二章では、東京でOLをする、地方出身の美紀の暮らしが描かれます。
上京組の彼女は、高校で猛勉強の末、慶應大学に合格するものの、実家の金銭的な事情により、二年の途中で除籍処分を受けてしまいます。
彼女はその後も東京に留まり、生活のため、夜の世界で仕事をし、どんどん美しくなっていくのです。美紀は夜の仕事を通して、大学で一瞬だけ接点のあった同い年の幸一郎と再会するのですが。
何年経っても正式な「彼女」にはなれず、32歳でOLの仕事をする現在も、愛人のようなポジションで、ダラダラとした関係を続ける彼との関係で悩んでいました。
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物語は「幸一郎」で繋がっている二人が、とある出来事をきっかけに出会うことになるのですが。
どんどん意外な方向へと舵を切っていくので、もう夢中になって読んでしまいました。
そして、どちらの女性の悩みにも共感できる所がたくさんあったのが印象的でした。
「婚活は、女をどこまでも醜くさせる」
とか
「女性は外見をどう作りこんでいるかで、いろんなことがわかる。趣味嗜好も、パーソナリティも、おおよその金銭事情も、願望も、その全てが外見から発信される」
など、胸が苦しくなるくらい、激しく頷いてしまったほどです(笑)。
正反対の女性二人と、その友人たちが”生きづらさ”が蔓延する世の中で、必死に足を踏ん張りつつ、自分自身が心地良く生きれる場所を探して、恋愛でも仕事でも、葛藤する様子が胸に染みました。
都会暮らしでお嬢様でも、地方出身で苦労人でも、見てきた世界が全然違っても、未婚でも既婚でも、私たち女性は自分の大切にしたい生き方や夢や目標を失わないように、自分の足でちゃんと立たなければならないのだなと感じました。
それは「金銭的な意味で自立する」という意味とはちょっと違うかもしれません。
パートナーと対等な目線で、意見が交わせるように。
守りたいものが守れるように。
固定観念に縛られることなく、自由に生きるためにはどうしたらいいか、パワフルに、しなやかに生きるヒントを彼女たちからもらえた気がします。
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いかがでしたでしょうか。
私は本書を読んで、自分の結婚にまつわる悲喜こもごもを思い出して、胸をえぐられるような気持ちにもなりました(((( ;°Д°))))
結婚は「自分の人生がワンランク上がりコンプレックスを無くしてくれるもの」かと思えばそうではなく。
自分で自分の人生を見つめる大切さに改めて気付かされたりもしました。
それ以外にも”女性ならではの生きづらさ”から、少し解放してくれるような小説だったなとも思います。
本文で、ある女性が目の覚めるようなことを言っていたので、一部引用させて頂きます。
「世の中にはね、女同士を分断する価値観みたいなものが、あまりにも普通にまかり通ってて、しかも実は、誰よりも女の子自身が、そういう考え方に染まっちゃってるの。だから女の敵は女だって、みんな訳知り顔で言ったりするんだよ。
若い女の子とおばさんは、分断されてる。専業主婦と働く女性は、対立するように仕向けられる。ママ友は怖いぞーって、子供産んでもないのに脅かされる。嫁と姑は絶対に仲が悪いってことになってる。
そうじゃない例だってあるはずなのに。男の人はみんな無意識に、女を分断するようなことばかり言う。
(一部省略)
もしかしたら男の人って、女同士に、あんまり仲良くしてほしくないのかもしれないね。だって女同士で仲良くされたら、自分たちのことはそっちのけにされちゃうから。それって彼らにしてみれば、面白くないことなんでしょ」
今の年齢が特にそうなのか、これからもずっとそうなのかはわからないのですが、今、子供を産んで育てようとしたら(産めるかどうかはともかく…)このセリフのようなことはよく言われるし、ニュースでも報道されています。
「ママ友怖いぞ」「都会で一人で子供育てるのは大変だぞ」「嫁姑問題もさらにややこしくなるぞ」「保育園なかなか空きがないぞ」って。
結婚しようとする時も、色々言われるのですよね。
こんなあんな、辛いことがあるぞって。「結婚は人生の墓場」なんて言葉もありますよねえ。(-。-;
じゃあ一体、どうしたらいいのか。どうすれば正解なのか。
不安にさせられることばかり言われても、困惑してしまいますよね。
……でもそれって本当なのか。周りが色々言ってくることは、事実なのか。
一度冷静になって考えて見ても良いかもしれない、と、このセリフを見て私は思いました。
確かに、家族が増えることは、今まで育って来た環境や価値観が違うもの同士が一緒に暮らすわけだから、予想以上に色々あったけれども(笑)。でも、楽しいことも助けられたことも、本当に本当にたくさんあった。
子育てだって、立場が違う同士の女同士の友情だって、大変なことはあるだろうけれど、そればかりではないだろうって、信じたくなりました。
今一度、自分で冷静に考えて、色々な人の話を、ネットではなく直接聞いて「世の中的な常識は本当なのか?」と考えてみても良いかもなあ、なんて思いました。
……と言うわけで。何がと言うわけなのか、わからないですが、私はブログでもtwitterでも、原稿でも、できるだけ明るい楽しい面を全面に押し出した文章を書いて行きたいと思いました。
根が死ぬほどネガティブなのですが、好きな人はカフカですが、カフカのネガティブさは、もはや笑える域に到達していますし、愚痴でも何でも、自分の中で昇華して、文章に落とし込んで行けるように頑張ります!
7月で30歳になるので、優しく透明感のある大人になれたらなあと妄想している(まだまだ妄想の段階)私でした。
ではでは、また更新しますね。
暑くなって来ましたが、皆様体調お気をつけて!
さゆ