小出裕章さんは、かつて講演の締めくくりに姫野洋三さんの歌【若狭の海】を流されるのが常でした。原発のいびつさを端的にあらわしたこの曲には古びない力があります。
先夜、10年ぶりに生でこの曲を聴くことができました。30年前の美声と違い、しゃがれた声には切実さがより感じられました。歌詞の一部を記します。
【若狭の海】
②
足で扉を開けて 足を使わず 階段昇る
電気でお湯を沸かして 電気で野菜をつくる
夜をあんなに明るくしといて 夏をあんなに寒くしといて まだまだ 足りないなんて
③
味も香りもない放射能 毎日せっせとつくり続けて
孫の孫の孫の孫の…代まで 汚れた世界だけを残すという
夜をあんなに明るくしといて 夏をあんなに寒くしといて まだまだ 足りないなん
て
小出さんのお話を初めて聞いたときのことを覚えています。
「原発に未来の夢を託し進学した僕が、現実を知ったのは1971年ごろです。日本に原発は 4 基でした。皆さん、あのころ何か困りましたか?十分だったと思います。それなのに、その後、さらに何十基もの原発をつくってしまったのです…」
この言葉と姫野さんの詞はシンクロしており、小出さんが気に入られたのも当然です。
しかも、原発のあるような地方の人々は早寝早起き、太陽とともに生活するような土地柄です。消費するばかりの不夜城の都会のために、この方たちが犠牲になるなんて、私はどうしても納得できません。
原発銀座若狭を初め、原発はとことん地元民を苦しめます。すべての核発電を直ちに止めてください!
2.11(O)