ウヨ太クンは勉強も運動もできずに引きこもりになってしまった、二―ト5年目の新人ニート。
そんなウヨ太クンをバカにするため、未来からやって来たサヨえもん。
今日もウヨ太クンは、前回コンビニに行った時から、自分の人生の「家の外にでていない」記録を更新しながら(連続80日目)、せーじかつどーごっこに興じていました。
そんなある日のこと…
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ウヨ太クン「衆院解散!!
安倍閣下率いる自民党が、誇りを感じる日本を取り戻してくれる!!みんなで選挙運動をがんばろう!!」
サヨえもん「ウヨ太クン、そのパソコンに音声認識機能はないから、叫んでも意味ないよ。それに、打ち込んでも、それが2chじゃあこれまた意味ないよ。あ、あと、安倍さんを「カッカ」って言うの気持ち悪いよ。それと君がやってるのは選挙運動とは言わないと思うよ。それに『誇り』って、歴史を自己満足の道具にすることが…」
ウヨ太クン「あああああああ!!!そんなにいっぺんに言わないでよ!!」
サヨえもん「ああ、ごめんごめん、3行ルールを忘れてた。それにしても、たった一行でこんなに突っ込める事を言えてしまうウヨ太クンは、本当に天才だね。いつも驚かされるよ」
ウヨ太クン「そ、そうかなぁ。まあそれほどでもあるけどね」デレデレ
サヨえもん「ごめん僕がわるかった。これからはもっと直接的な表現を心がけるよ。て言うか頭悪いにもほどがあんだろ(ボソッ)」
ウヨ太クン「え?聞こえない」
サヨえもん「それよりもウヨ太クン、実はさっき未来に戻って、未来から一つ道具を借りてきたんだ」
ウヨ太クン「何だって!!それは…ほんとかい?」ランラン
サヨえもん「うん、しかも、未来でも超高級道具、タイムマシンだよ。買うのは高すぎて無理だから、レンタル店から借りてきたんだ。しかも使用には許可がいるんだけど、君のために許可も貰って来た」
ウヨ太クン「うわーーーい!!でも、なんでいきなり」
サヨえもん「もちろん、君の願いを叶えるためだよ」
ウヨ太クン「え…それはつまり…僕にもついに彼女ができ」
サヨえもん「違うよ。
もっと重要な奴。いつも君が言ってる事だよ」
ウヨ太クン「え?」
サヨえもん「とりあえず行こうか」
ウヨ太クン「え、いやちょっとまっうわあああああ」
○△※☆○△※☆
ウヨ太クン「うーーん…え、こ、ここはどこだい?」
サヨえもん「どこって、戦場に決まってるじゃないか。それも超重要戦地、ガダルカナル島だよ。ここでの撤退から、太平洋戦争の攻守が交代したと言われてるんだ」
ウヨ太クン「せ…戦場?」
サヨえもん「はい、これ、当時の日本軍に支給されてた銃剣ね」
ずしっ
ウヨ太クン「うわ、お、重い…え、いやどういう事…あれ、服が変わってる」
サヨえもん「日本軍の服装だよ。どういう事って、大東亜戦争に参加するに決まってるじゃないか。もちろん君も戦うんだろ?」
ウヨ太クン「戦うって…」
サヨえもん「じゃあいっぱいがんばって日本のために死んでね。日本軍はあっちに陣地があるはずだから。
じゃあ僕は未来に帰るから。ばいばーい」にこにこすたすた
ウヨ太クン「まってええええ!!!」
サヨえもん「うん?どうしたんだいウヨ太クン。君はいつも言っていたじゃないか。僕は日本を愛しているって。大日本帝国は悪いことのない理想の国だったって。そう思うのは日本人として当然だって。大和民族として恥じない生き方をしたいって。誇りある日本を守るために自分は戦ってるし、これからも戦いたいって
だけどなぜか、自衛隊にも消防隊にも入らないし、勉強もしないから、僕が直接行動できるところに連れてきてあげたんじゃないか」
ウヨ太クン「そ、そうだけど、そうなんだけどおぉぉ」
パパンッヒュンッヒュンッ
サヨえもん「おっと、銃弾が飛んできた」
ウヨ太クン「うぎゃああああああ!!」泣泣
サヨえもん「僕はロボットだから当たっても死なないけど、痛いのはいやだからもう帰るね。あ、ウヨ太クンは愛国心があるから、きっと当たっても大丈夫。
あぁあぁそんなに泣いちゃって。日本のために死ねるのがそんなにうれしいのかい?」
ウヨ太クン「ひっぐ、ごべんだざーい」
サヨえもん「いやいや、礼には及ばないよ。」
ウヨ太クン「僕は、虚弱体質だがら、戦えないんでずぅ」
パパパッヒュヒュヒュン
ウヨ太クン「うっぎゃああああああ!!!」
サヨえもん「そんなに叫ぶと敵に見つかっちゃうよ。じゃあねーー」○△※☆
ウヨ太クン「サ、サヨえもーーーーーーん!!」
○×※☆タイムマシンの中○△※☆
サヨえもん「うーふーふーふーふー」
ウヨ太クン「うーん…あ、あれ?」
サヨえもん「あ、気が付いたかい?」
ウヨ太クン「あれ、僕は…カナルダガル島に取り残されたはずじゃ…」
サヨえもん「ガダルカナル島ね。いや、連れて帰って来たんだよ。だって、君が戦えるわけないじゃないか。ただの僕の悪ノリだよ。うーふーふーふー。」
ウヨ太クン「いや、そんなこと…な、なんで連れて来たんだ!!僕は日本のために死ぬ覚悟だった!!」
サヨえもん「ああ、いつもの調子が出せるなら大丈夫だね。いやいや、君がああいう反応するのはみんな知ってたから」
ウヨ太クン「みんなって誰さ?」
サヨえもん「秘密。実はタイムマシンを使うのはこれが目的じゃないんだ。ちょっと遊んだだけ。今から行くところが本当の目的場所。君に直に見てもらおうと思ってね」
ウヨ太クン「どど、どこに行くの?」ぶるぶる
サヨえもん「そんなにビビらなくてもいいよ。過去で君に死なれると、僕が未来で怒られちゃうからね。とにかく、君の言う『誇りある日本の歴史』を学びに行くんだよ」
ウヨ太クン「歴史?」
サヨえもん「そうだねまずは…1937年、南京だ」
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心なしかいつもより毒のあるサヨえもんの、怖すぎるいたずらのせいで、とてもびくついているウヨ太クン。
まだ、お漏らしで自分のズボンが濡れてる事にも気づいていません。
それはそうと、これからサヨえもんと一緒に、過去をめぐる旅に行くようです。
1937年の南京に、どんな冒険が待っているのでしょうか。
続く。