こんにちは。
福祉に詳しい鹿野です。
はい!福祉に詳しい人です。
(以前、この肩書でテレビで紹介されたので、このまま使います)(笑)
ここ最近、話題になっていることと言えば、中央省庁の障がい者雇用率の水増し問題であります。働き方改革でも行われた、データのねつ造や改ざん、廃棄問題が記憶に新しい中、またまた、中央省庁でこのような事態が発覚しました。
障がい者の就労支援に携わっていた私としては、開いた口がふさがりません
ある意味、社会が障がい者に対する雇用のありようがここで露見しているようにも思います。
私は現在、就労支援に携わっていないので好き勝手言いますが、障がい者雇用の本質を見るとまだまだ課題はあります。
もちろん、働きやすい環境が整っている会社や企業は多くありますが、いまだに、就労時間や給料面、福利厚生、飲み会などのお誘いなど不公平さを感じます。
現場にいたときに就労セミナーなどで聞かされた企業の話の中には、「視覚障がいの方も働きやすい環境としてこのように設備を改善しました!」と設備のことを自慢している会社の視覚障がい者の雇用はゼロであったり、障がい者雇用を美談として熱く語る大企業が、「うちの企業では障がい者でも○○の取り組みをやってます!」と、どこの企業でもやっているような処遇面の話を力説されるとほんとうにげんなりします。
「障がい者でも」って何なんでしょうか?
そういえば、以前、「障がい者でも結婚できます」と言われた社長がいました。
「でも」とはなんだ!「でも」とは
障がいのある人が働きやすい環境として、モデルになる特例子会社などの経営理念は素晴らしいんです。企業のイメージや広報は完璧です!ですが、給料がやっすいですし、経営理念と現場スタッフの意識がかい離しているところも多くあります。
障がい者は常にステップアップを求められ、扱いにくい障がい特性の人は、やんわりと退職に追い込まれるケースもあります。
(たぶん、こんなことは誰も言わないでしょうから、ぶっちゃけ言います)
障がい者の雇用はまだまだ課題があるので、ほっておくと企業は障がい者を積極的に雇用しようとしません。だから、入り口部分として雇用率を設けています。ですが、本当はその後の定着率と働きがい に視点を向けてほしいのです。
この部分が「働き方改革」に通じる部分なんでしょうが、それもデータが改ざんされていますからね・・・
話を元に戻します。
こちらのULRは「平成29年厚生労働省の障害者雇用状況の集計結果」です。
P27の数字に全くの真実が無いということになります。
国が義務付けている機関の雇用率は、約7,593人で実雇用率2.5%となっています。
がっ、しかし
今回の調査の結果は1.19%になります。
法定雇用率の2.3%を大きく下回っています。
厚生労働省のページのURL
(平成30年4月から改正して雇用率は引き上げられています。)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaisha/04.html
ただ、33行政機関の中でも、6つの行政機関は不適切な算入はなかったようです。
新聞の記事によると、海上保安庁は2.41%から3.0%の高い雇用率になっています。(理由は不明ですが、調べてみたら障がい者が多かったということでしょうか)
ほかにも、内閣法制局、警視庁、金融庁、原子力規制委員会なども法定雇用率以上の雇用率になっています。
船頭を切っているはずの厚生労働省の雇用率は 2.76%です。達成していてホッとしました。
企業が同じことをしていたら・・・
障がい者雇用安定法により法定雇用が義務付けられている制度なので、企業は罰金の支払やインターネットで晒されるなどの制裁措置を受けます。
ただ、省庁が罰金を払うとなれば、それも税金だし・・・これらの行方が気になります。
とにかく、これだけ大きく報じられた後なので、今後はどの省庁も雇用率をあげるための対策を講じるはずです。
たとえ、障がいに対して無理解であっても、雇う義務があるからです。
今回の27省庁はこれから障がい者雇用について本気で考えなければなりません。
国が犯した問題なので、民間レベル以上の成果を出してほしいと切に願います。
今回のことで、障がい者雇用率を水増ししてきた省庁は、障がいのある人に対しての意識改革や、本質的な課題や問題点など、働き方の中味も伴うよう、今こそ見直すチャンスと思って取り組んでもらいたいです。
まずは、働きかた改革でデータを改ざんした厚生労働省ですが、名誉挽回のチャンスです!各省庁の先頭に立って先陣切って進めてほしいと思います。