訪問してくださりありがとうございます。
33年間障がい福祉の支援で活動してきた私も今年還暦を迎えました。
福祉施設を退職後、障がいのある人やそのご家族を対象にファイナンシャル・プランナー、終活アドバイザーとして、全国で講演活動してきた私ですが、最近は、両親の介護を通じて、支援する立場から支援される側へと立ち位置が変わっています。
介護とは、毎日、ジェットコースターに乗ってるよぅな浮き沈みの日々なのです。
我が家の場合は、どのように対処したかをお伝えしています。
例えば、うちの父は足元がよたよたなのに立ってトイレをします。
結果、床や壁にとおしっこを巻き散らかすことになります。
(本人は巻き散らかしている自覚無し)
なので、トイレに入るたびに掃除することになり、家にいる日は1日3,4回はトイレ掃除です。
ちなみに、私は潔癖症ではありません。少々のことは目をつぶります。
だが、掃除直後を狙っているかのようにトイレにやってくる父・・・
なんとなく気分が凹む私
また、寝てる間もスリッパを履きっぱなし。
多分、スリッパを脱ぐのが面倒くさいんだと思います。
父と格闘しながらひっぺはがしたシーツを洗濯して父の寝具をきれいにした直後、
待ってましたとばかりにスリッパのまま寝転ぶ光景をみると
なんとなく気分が凹む私
そして病院への通院の声かけにも起きない!
起きた直後に再度寝てしまう父
そんな父の様子を見て、母もややこしい指示を口出ししだす…
父、キレて大声でダダをこねる
通院前になんとなく気分が凹む私
ひととおりのことが終わってから、30㌔離れた工房に向かう私・・・
そんな毎日を過ごしていましたが、
なんとなく気分が凹むという蓄積が心をむしばんでいたように思います。
「介護」いつまで続くのか…
先も見えない、出口のない日常
そんなときは、
そんなときこそ、福祉や制度、民間サービスの力を借りよう!
いやはや、メンタルボロボロになって気が付くとは遅かった(笑)
親の介護から逃げたいと思う毎日を過ごすより、
それを専門に支援してくれる人に頼ろう。
そのために、行動したしたことは次の通りです。
1、私のストレスを具体的にしてみる
・毎日、予約した時間に嫌がる父を通院させないといけないこと
・ケアパンツがおしっこでパンパンになっていても、履き替えてくれないこと
・記憶力や判断能力の減退を遅らせる薬を半年前から勝手にやめていること
・お風呂に入ったら、5時間以上湯船に浸かっていること
・冷蔵庫を頻繁に開け閉めし、長く開けるので冷蔵庫が毎回ピーピー鳴っていること
・夜中にテレビを大音量で見ている(眺めている)こと
大学ノートに思いつくまま書いたけど、だいたいこんな感じでした…
あれ?以外に少ないって印象です。
2、今起こっていることを、担当のケアマネさんに相談
ほんとに、私を救ってくれたのはケアマネさん!でした。
電話で状況を伝えたら、すぐに来て下さり、私の心の声を丁寧に聴いてくださいました。
この時は、話しているうちに、涙が止まらなくなって
大泣きしながら、「苦しい」を連発していたことを覚えています。
そこで提案してくださったのは、ケガと薬のことは医療機関に頼ることでした。
指の治療は最優先なので、訪問看護を利用
訪問看護はケアマネさんが手配して下さり、整形外科に通院しなくても看護師さんが毎日来てくれることになりました。毎日訪問してくれるので通院の負担がなくなりました
これは、すごい助かります
訪問看護は、ケガに対するガーゼの交換に加えて、バイタルも観察して下さり、薬を飲むことやケアパンの履き替えまでも対応してくださいます。そのことで、私のストレスの上位3つが消えました
受診が困難になってきたことを主治医に伝え、訪問診療を依頼
近くの町医者が主治医ということもあり、父の受診が困難になってきたことを伝え、訪問診療をお願いできないか相談。父は、要介護認定3ということもあり、月に1回の訪問診療は可能で、薬も配達してくれることになりました。
診療費用は、翌月病院に払い、薬は配達時に支払います。
3、介護認定調査
1回めの認定調査から1年以上経過しているため、市長村に認定調査を依頼
このようなことも、ケアマネさんが申請し、日程調整もしてくださいます。
4、訪問介護の利用
医療機関のサービスに加えて、介護保険のありがたい恩恵も受けています。
母は以前転倒してから、訪問介護を利用して自宅で入浴介助をしてもらっていますが、父も同様に自宅で入浴介助してもらうことになりました。
これで、私のストレスの上位4つが跡形もなく消え去ったのです
ほんとに、毎日の消毒に来てくれる看護師のおかげで、ストレスで一杯だった私の精神は楽になり、看護師さんが毎日来て下さるという安心感がプラスされました。
そして、なんと言っても、認知能力を改善する薬を毎日きちんと飲むことができたことで、父の性格が劇的に変化しています
そう、誰に対しても怒らなくなり、以前のように笑顔も見られるようになってきました
この調子なら、怪我が治ったらデイサービスの利用に繋げられるかも!
淡い期待を抱きながら、支援を受けることで乗り越えていける希望も見えてきました。
1月から4月頃までの出来事はざっとこんなものです。
支援に助けられながら、私も自分自身を取り戻すことができました。
冷静に振り返ったら、なぜ、もっと早く医療機関のサービスを利用しなかったんだろうと思います
なかなか、当事者は気付きにくいものなんですね・・・
今後は、介護保険や訪問診療にかかる費用などについてもおいおいまとめていきたいと思います。
何かの参考にして頂ければ幸いです。
鹿野佐代子の著書紹介
障がいのある子とその親のための「親亡きあと」対策 好評発売中!
障がいのある子の親の多くが不安に感じている「子の老後」と「自分が亡くなったあと」のこと。障がい者の老後や「親亡きあと」の実際を知る福祉のプロがシンプルな備え方を解説。
鹿野 佐代子 (著)
障がいのある子が「親亡き後」に困らないために今できること
自分の死後、わが子は一人でちゃんと生きていけるのか。お金、生活、制度など、障がいがある子の親にとっての不安や心配ごとを解消するための一冊。
明石 久美 (著), 鹿野 佐代子 (著)
未来に飛び立て! 発達の気になる子の大人になるためのチャレンジ〈学齢期編〉
発達障害の子(幼児期)への家庭療育を紹介し、「こんなことが知りたかった! 」と好評の前作に続き「学齢期編」が登場。
鹿野 佐代子 (著), 橋本 美恵 (著)
誤学習・未学習を防ぐ! 発達の気になる子の「できた! 」が増えるトレーニング
療育現場に30年間携わる著者と、33年にわたり成人の当事者支援に携わる著者が、
家庭で実践できる発達障害の子への取り組みを具体的に紹介。
橋本 美恵 (著), 鹿野 佐代子 (著)
今日からできる! 障がいのある子のお金トレーニング
“親が亡くなったあと"に備える、「お金の準備」と「子どもの金銭管理教育」!
どのくらいお金を残せばよいか? 残したお金は本人のために使えるか?――障がいのある子を持つ親にとって、「自分が亡くなったあとの子どもの暮らし」は切実な問題です。
鹿野 佐代子 (著), 前野 彩 (著)
お金のプロ!フィナンシャルプランナーがつくった金銭管理グッズ!
予算を見える化するので、発達の気になる子や障がいのある子にわかりやすく金銭管理ができます。子どもと一緒に親も始めることで家計管理の効果もアップ