最近見た映画まとめてレビュー。ファブル×賭ケグルイ×ポンポさん×バンダ―スナッチ×ホテルムンバイ | SayGo's 映画レビュー

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勝手に映画鑑賞して
ダラダラとレビューします。

お疲れ様です。

SayGoです。

 

最近は映画を見るだけ見て
なにも書いていない状態が続いているので、
まとめてレビューします。

 

レビューするのは以下の5本

①『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』

②『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』

③『映画大好きポンポさん』

④『ブラック・ミラー:バンダ―スナッチ』

⑤『ホテル・ムンバイ』

 

では、行きます~



①『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』
公開日:2021年6月18日


南勝久の人気コミックを岡田准一主演で映画化したシリーズの2作目。




「るろうに剣心」さながら殺さずの誓い(笑)を余儀なくされた主人公 ファブル。
極度の猫舌で仏頂面なのに愛せるファブルならではのコメディも健在だが、
全作以上のひねりはないため、笑える部分は少なめな印象。

また、平手友梨奈演じるヒナコを起点とし、
ファブルが再び戦わざるを得なくなるメインストーリーは
2時間超の尺を引っ張れるだけの展開力が乏しく、
退屈なモラトリアムな時間に苦しめられた。

しかし、それらを帳消するのが前作を遥かに凌ぐアクションシーン。
ファブルの秀でた暗殺力を
何もなかったように時が流れる街の風景や日常と対比することで語り、
岡田准一氏の身体能力の高さを再度痛感させられる
カースタントで飾られるオープニングシークエンスは圧巻。

団地+足場という狭く立体的なシチュエーションを活かした
クライマックスのアクションシーンは世界水準。

場を駆使した戦略をファブルの視点の画やアクションそのもので語っていく演出力。
対多数を殺さずさばいていく爽快感に内包するヒーロー性を
これ以上にないケレンある展開で見せつけるエンターテインメント性。
これを劇場で観るだけ1900円の価値はある作品でした。

 

 



②『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』
公開日:2021年6月1日


 人気コミックを実写化したシリーズの劇場第2作。



ギャンブルの勝敗が学園生活のみならず人生を左右してしまう
私立百花王学園を舞台にした学園×ギャンブルという異色作品。

かつて学園を追われたギャンブラー 視鬼神真玄との戦いを描く物語は
テンションこそこれまで同様のものとなっているが、
人質も用いた脅しや脅迫によって相手を降参させ勝利するという視鬼神の戦法は
心理戦こそ肝となる本シリーズの醍醐味を多く損なう印象。
プレイヤーとしても弱いため、ヴィランとしてどう見たらいいのか迷うが、
ルールから逸脱した卑劣なテロリストとして観れば納得も行くかもしれない。

タイトルにもあるロシアンルーレット戦がクライマックスとなっているわけだが、
絶対的権力を有しながら多くがベールに包まれている生徒会長 桃喰綺羅莉の参戦や
ひと手で状況目まぐるしく変化し、キャラクターの本質や異常性までも露見させるゲームに
ファンなら盛り上がること必須。

命を賭けたゲームが狙いに反して「死ぬはずがない=負けない」という
安堵になってしまっている部分や
今回に関して不自然さが際立つミュージカル演出などもうひとつな部分もあるが
キャラクターや役者陣のアンサンブルが楽しめるのがこのシリーズ。
ラストに彼らの後ろ姿を見せられれば、続編への期待も高まってしまう。

 

 



③『映画大好きポンポさん』
公開日:2021年6月4日


今、最も巷を騒がせる「pixiv」発のコミックを原作としたアニメ映画。




映画に愛されてプロデューサー ポンポさんに才能を見出された
主人公の青年 ジーンが映画監督として作品を作り上げるまでを描く。
リアル志向というより、アニメという抽象的な世界観をもって
映画製作そのものをデフォルメし、クリエイティブの苦悩とその中にある喜びを
風通しのいいエンターテインメントに仕立てた本作は観ていてとにかく楽しい。

まるで映画監督を夢見た少年が想像する映画業界が
そのまま用いられているような世界観ではあるが、
作品の顔となるポンポさんの現実離れしたキャラクター性と
あまりにもテンポがいい編集が生む言わせぬ没入感を演出。

「映画の撮影とは、演出とは」にも的確に言及する部分も面白く、
後半の編集作業シークエンスにおいては、
「編集が作品の印象をどのように左右するのか」を
画の比較によって、また、非常に論理的にそれを説明してくれるため
人によっては発見と喜びに溢れた作品になるはず。

編集という孤独で出口のない作業を
アクションシーンに変換して見せ場に仕立てる演出の爽快さと
作品と作品で制作される映画がリンクしこれ以上にない切れ味で
幕を下ろすラストカットに至るまでとにかく全力疾走の90分。

ぶっとんだこの作品に「こんなのありえない」
なんていうのはお門違いでしょう(笑)

 

 



ここからは配信で見た作品になります!


④『ブラック・ミラー:バンダ―スナッチ』
配信:NETFLIX


 視聴者がリモコンやマウスで主人公の行動を選択することで
物語が進んでいくインタラクティブ映画。



大手メーカーから企画が認められ納期までに
オリジナルゲーム「バンナースナッチ」を完成させるべく奮闘する
主人公 ステファンの運命を視聴者は選んでいくことになります。

今更見たのかと言わないでください...すいません。

随所で様々な2択が提示され、
食べるものや聴く音楽の選択という些細なものから
物語を大きく左右するだろうものまで選択が委ねられる。

序盤こそ、シミュレーションゲームさながら楽しむことができるわけだが、
この作品は知らず知らずのうち現実世界へ侵食を進めていき、
気づいた時には、視聴者が作品内のある立ち位置に置かれるという
ギミックが用意されている。
もはや体感型ではなく、巻き込まれ型映画だ。

その衝撃たるや凄まじいもので、
これまでの映画では味わうことのできない興奮を得ることができた。

作品としてのクオリティを上げるか、ユーモアを利かせるか。
そこを選ばせるNETFLIXのセンス、遊び心は憎たらしく、
また、どちらを選んでも面白くなってしまう部分にはまた驚く。

我ながら、最後の選択はうまくいったと自画自賛。
エンターテインメントとして楽しみながら監督気分を味わせるのも
この作品の特出した魅力でしょう。

 

 



⑤『ホテル・ムンバイ』
配信:NETFLIX


 2008年に起きたムンバイ同時多発テロの際に、
タージマハル・ホテルに閉じ込められた宿泊客と
彼らを救おうと奮闘したホテルマンの姿を描く一作。



ホテル襲撃にスポットが当て、ムンバイ同時多発

テロを描く本作は
表現こそ悩むが、エンターテインメント性も強い一作であるが、
実行犯にも焦点を当てた構成によって、
安易に善悪を区切らせなず、実社会における問題の複雑性を提示してみせる。

銃で武装したテロリストからいかに生き延びるか。
ホテルマンとしてどこまで義務を全うできるか。

ひとつタイミングを間違えれば殺され、
また、誰かが選択を間違えれば自分も危険にさらされる可能性があるという
張り詰めた緊張感の中で展開される静かな攻防は
TV画面で見ていても息を飲む臨場感に溢れる。

他者に対する疑心暗鬼や露見してしまう人種差別などで
彼らの置かれる状況の切迫感を語り、
対話することの重要性に行き着くヒューマンドラマは
対話せず武力衝突を繰り返すテロリズムへの疑問にも届いて見える。

また、テロ行為は首謀者に命令されていた様子を
強く印象付ける作りとなっており、
家族のための行動だったことや、人間的な感情に葛藤する描写など
実行犯のバックボーンにスポットすることで
社会問題にも言及することで
安易にエンターテインメント落とし込んでいない作りには好感が持てた。

とはいえ、観ていて苦しい一作。
映画作品として面白さがある作品故、
実際に犠牲者のいる事件を楽しんでしまっている自分には悩んでしまう。
欲を言えば、随所に実録の報道映像などを入れて、
もっと冷や水を浴びせてほしかった。

 

 

 

おわり!