映画雑レビュー『仁光の受難』51点 超モテる僧侶が己の煩悩と戦う!頑張れ僧侶!負けるな僧侶! | SayGo's 映画レビュー

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勝手に映画鑑賞して
ダラダラとレビューします。

『仁光の受難』

公開日:2017年9月23日

上映時間:70分


 

世の女性に異常にモテてしまう僧侶の仁光が

煩悩と戦っていく異色アダルト・コメディ

実写と浮世絵アニメーションの融合で不思議な物語を綴ります。 



延命寺という寺で修業に励む僧侶 仁光だが、

彼はあることに常に悩まされておりました

それは世の女性から異常にモテるということ

行く先、行く先で女性に言い寄られ求められる仁光は

煩悩を払拭しようと旅に出るのだったが

そこで男の生気を吸い死に至らしめる『山女』の噂を耳にする。

 


YouTubeチャンネル「シネマンション」内で紹介され、

気になったので鑑賞してみました!

 

異常にモテる僧侶 仁光が煩悩と戦う日々

アニメーションを織り交ぜながら綴っていく本作は、

多少アダルトな描写こそあるものの、

「モテる僧侶」というキャッチーな設定ひとつで物語を牽引していく

不思議・異色コメディとなっていました。

 


「なぜモテるのか?」という部分には一切触れず、

「気づけばモテていた!」で済ませる潔さGoodです!

顔がいいから、スタイルがいいからなんて変な説明があったら

それこそ「嘘だろ!」と言いたくなってしまいそうです(笑)

 

行く先、出会ってすぐ全女性が虜!何も言わず求めてくる!

そんな男の夢の渦中にいる主人公 仁光は羨ましい!の一言なのですが、

そこに見事なツイストを効かせるのが

「この上なく真面目な僧侶」という設定です。


※ひとつ間違えばホラーでしょー

 

修業にとにかく勤勉な仁光は女犯が大罪であることを知っているので

モテる状況に喜ぶのではなく苦しんでいきます!

それでも脳裏に過ってしまう欲求!

 

座禅を組み、滝に打たれ、煩悩と戦う仁光の姿は

カッコよくも哀愁に溢れています。

 

そして面白いのはそんな煩悩との戦いを

浮世絵ルックなアニメーションファンタジックな映像

異様にどこかバカバカしく演出していく部分です。

「下らないことを大真面目にやる」作品が好きな方には

結構堪らないコメディ作品になっていると思います。

 

※もうホラーです笑


そんな仁光は煩悩を振り払うため修業の旅に出るのですが、

そこである武士と出会い、そして行き着いた村で

男の生気を吸い取り死に至らしめる『山女』の噂を耳にします。

 

「女にモテる僧侶vs男の生気を吸い取る化け物女」

という怪奇バトル展開に急にシフトチェンジしようとする本作には

驚かされること間違えなしですが、

「これ、どうなるのよ!」という期待が募っていきます...

 

そんな本作の結末については言及しませんが、

ミニマムでありながら「大人の日本昔話」として

綺麗な締めくくりを見せてくれます。

 

設定の面白さや急な怪奇要素から

破天荒な展開を期待してしまったため

オチには物足りなさを感じてしまいましたが、

「ことわざ」になぞった結末でオープニングに戻る作りは

決して悪くはありませんでした。

 

地上波で放送できない

ちょっとエッチな「世にも奇妙な話」といった映画です。

約70分と見やすい映画なので

箸休めにいかがでしょうか?

 

★★★